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東洋大、公式戦初得点のMF高橋宏季「ゴールの意識を強く持っていた」

2016.10.06

文=藤井圭(スポーツ東洋)

 彼がネットを揺らした瞬間、チームメイトや多くの観客から祝福の声があがった。チームが待ちわびた待望の初得点。喜びの輪の中心にいたのは、すでに1アシストを記録していた高橋宏季だ。
 歓喜は試合終了直前に訪れた。時計の針は90分を指して、アディショナルタイムも指定された4分を経過。1点差を守り切る展開で「ゴールの意識を強く持っていた」と、高橋は最後まで得点を狙っていた。前線からプレッシャーをかけ相手ゴール前でボールを奪うと、最後はGKとの一対一を冷静に決める。得点が決まり、一番に喜んだのはチームメイトだ。「あいつ(高橋)にとって成長するきっかけになる」と語る浦上仁騎は、得点後すぐに高橋のもとへ駆け寄り得点を祝った。
「アミノバイタル」カップ2016 第5回関東大学サッカートーナメント大会の直前、対談を行ったとき高橋は「最後のところで決めきれないのが課題」と得点への意欲を口にした。普段はボランチから攻撃のアクセントとなるパスを供給しながら、チャンスになると積極果敢にゴールを狙う。しかし毎試合放つシュートは、GKのセーブやポストに直撃するなど、ため息に変わっていた。「自分が決めていれば、という試合がいくつもあった」。それだけに、本人にとって公式戦での初ゴールは喜びもひとしおである。いつもはクールな好青年だが、今日ばかりは笑みを絶やさなかった。
 この日は得点だけではなかった。13分には、離脱した仙頭啓矢の代わりに、セットプレーのキッカーを務めると、徳市寛人の先制点をアシストする。FC東京U-18時代は、当初キッカーを任されるも、「途中からは蹴っていなかった」と話す。その高橋が「誰か決めてくれると信じて蹴った」ボールは得点を創出し、この試合で全得点に絡む活躍を見せた。
 前節の悪い雰囲気を逸した一撃は、昇格へ向けて希望の光となった。この技巧派ボランチは「勝利に貢献するプレーは得点を決めること」と話す。中盤の底でタクトを振るう高橋が、どん欲に自らの得点数を増やすことができれば、昇格への道も開ける。

選手のコメントはスポーツ東洋のホームページ(http://sports-toyo.com/news/detail/id/5076)をご覧ください!

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