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慶應大、1年半ぶりに“早慶戦”を制す…田中健太が2ゴールの活躍

2016.05.30

2ゴールを決めた慶應大FW田中健太 [写真]=吉田遼平(慶應スポーツ)

 JR東日本カップ2016 第90回関東大学サッカーリーグ戦 1部リーグ戦8試合を終えて、4勝4敗の慶應義塾大学。相手が早稲田大学という意味でも絶対に負けられない試合となった今季初の“早慶戦”。昨季のこの時期、最下位に沈んでいた早稲田大が勝利を収め、これをきっかけに復調し大逆転でリーグ戦を制覇した。現在2連勝中と開幕当初の不振を脱しつつある慶應大は、今節も勝利して勢いをつけたいところだ。試合開始から慶應大が素晴らしい立ち上がりを見せ、15分に狙いどおりの崩しから好調の田中健太が先制点をマーク。後半にはショートカウンターから田中が2点目を決める。85分にPKから早稲田大に1点を返されるものの、上田朝都のファインセーブもあり逃げ切った慶應大が勝利し、リーグ戦3連勝となった。

 現在2連勝中と波に乗りつつある慶應大。前節途中出場の落合祥也がスタメンに抜てきされた。試合は開始から慶應大が積極的に仕掛ける。2分、手塚朋克が遠めからシュートを放つものの、相手GKに阻まれる。これで得たCKを豊川功治がヘッドで合わせるもゴール上。さらに9分、井上大からの縦パスに田中が抜けるもGKがキャッチ。11分には手塚が中に切り込みクロス。しかし、あと一歩のところで松木駿之介には合わない。そして15分、攻め続ける慶應大にゴールが生まれる。松木が縦パスをワンタッチで渡辺夏彦に落とし、中央へパス。それを田中が左足ダイレクトでゴール左隅へ。早稲田大の守備を崩す素晴らしい形で先制点を奪った。

 その後は早稲田大の反撃にあう。20分、スルーパスからディフェンスラインの裏に抜けられるが、上田が飛び出してシュートを打たせない。30分にはミスからシュートを打たれるが、キックミスに助けられる。35分、ゴール近くからシュートを打たれるが、これは上田が左手一本でファインセーブ。その後も中央から突破を許し、早稲田大にチャンスを作られるものの、上田が何度も良い飛び出しを見せゴールを死守する。

 後半も1点ビハインドの早稲田大がペースを握る。中央から相手の突破を許し、チャンスを作られていたが57分。落合の鋭い縦パスに渡辺が抜けるも、あと一歩のところで届かない。慶應大が試合の主導権を取り返すと59分、スローインから手塚が中央の渡辺にパス。トラップからシュートを放つが相手にブロックされる。そして66分、手塚がピッチ中央でパスカット。そのまま持ちあがり左の田中にラストパス。田中がGKとの一対一を冷静に沈め、早稲田大を突き放す。勢いに乗る慶應大はさらに攻撃を仕掛ける。72分、ロングボールに松木が競り合い、こぼれ球を渡辺が拾い左につなぐ。これを田中が又抜きから巧みにシュートを放つもセーブされる。83分、渡辺に代えて池田豊史貴を投入し、前線でのボールキープで逃げ切りを図る。しかし84分、クロスボールに対して溝渕雄志がペナルティーエリア内で相手を倒し、ファールの判定。このPKを決められ、早稲田大の追撃を許してしまう。そこで慶應大は87分、田中に代えて前線からの守備が魅力の山本哲平を投入し、前線に厚みをもたせる。90分には至近距離からシュートを打たれるが、ここまで良いセービングを見せていた上田がゴールライン上でビッグセーブ。またも上田がチームの危機を救った。その後は途中出場の池田、山本が前線で時間を使い、タイムアップを迎えた。1年半ぶりに慶應大が勝利を収めた。

 立ち上がりに難ありの慶應大だったが、この日は開始直後から積極的に攻め、先制点を奪った。「しっかりとつないで短いパス、長いパスを織り交ぜながら、ゴールを目指す」(須田芳正監督)とつなぐ攻撃を意識した慶應大。これまでと違う早慶戦の戦い方で試合を優位に進め、1年半勝利のなかった早稲田大を破り、リーグ戦3連勝となった。勢いそのままに、次節は苦手とする流通経済大学でも勝利を飾りたい。

文=吉田遼平(慶應スポーツ)

選手のコメントは慶應スポーツのホームページ(http://keispo.org/wordpress/?p=37134#more-37134)で閲覧できます。またTwitter(@keispo2015)にて毎節試合速報をしておりますので、そちらもご利用ください!

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