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加瀬澤力の豪快シュートが決勝点…慶應大、法政大を破り今季初白星

2016.04.18

勝利を喜ぶ慶應大メンバー [写真]=慶應スポーツ

 今季2連敗でのスタートとなった慶應義塾大学はJR東日本カップ2016 第90回関東大学サッカーリーグ戦 1部第3節で、法政大学と対戦。浮上するために是が非でも勝利がほしい慶應大は、2分に加瀬澤力の豪快なシュートで先制する。ここ2戦の出来が良くなかったことを払しょくする一撃でチームに勢いをもたらす。その後はゴールこそ入らなかったものの、見せ場を多く作った慶應大ペースで前半を終える。後半はやや法政大が押し込む展開で進んでいく。だが、慶應大はカウンターのチャンスをうかがいながら守備を固める。ゴール前の見ごたえのある攻防を制し、そのまま逃げ切った慶應大が今季初勝利を挙げた。

 今節は出場停止から戻ってきた豊川功治をアンカーに、インサイドハーフには渡辺夏彦ではなく、加瀬澤を起用。さらにFW山本哲平をスタメンに戻し、今季初勝利を狙った。

 歓喜の瞬間はすぐに訪れた。開幕から2戦とも先制を許していた慶應大だったが、この日は最初のチャンスをモノにした。2分、右サイドで加瀬澤と増田皓夫がパス交換。粘った増田が中央へ丁寧に折り返すと、そこに走り込んだ加瀬澤は迷わなかった。左足を振り抜くとシュートがゴールに突き刺さり、慶應大が見事先制に成功する。上々の入りを見せると11分、加瀬澤のスルーパスに抜け出した山本がシュートを放つ。これは惜しくもゴール左上に外れるが、続く16分には中央でボールを拾った松木駿之介が三人抜きからシュートを放つ。法政大GK関口亮助の好セーブに阻まれたが、ゴールへの強い意識で脅威を与える。前半に慶應大が迎えた最大のピンチは37分だった。法政大にカウンターを許すと、MF青柳駿にペナルティーエリア内でシュートを打たれる。また、前半アディショナルタイムの45+1分には、CKから山田将之にヘディングシュートを浴びる。再三のピンチを何とかしのいだ慶應大は1点をリードして前半を折り返す。

 後半は、ボールを保持する法政大とカウンターを狙う慶應大という構図。49分、加瀬澤がFKを直接狙い、ゴールを脅かすと、62分に山本が強烈なミドルシュートを放ち追加点を奪いに行く。70分には決定機が訪れる。右サイドで手塚朋克が粘って増田へパスを送る。増田が股抜きのスルーパスで相手を翻弄すると、反応した松木がシュートを放つが、相手に阻まれる。73分は逆にピンチを迎える。法政大MF永戸勝也のロングスローをGK上田朝都が処理しきれず、こぼれ球に武藤友樹が反応。ゴール右上に外れ、難を逃れるも慶應大は肝を冷やした。

 さらに試合終盤になると法政大のパワープレーに押し込まれる展開になる。そこで慶應大は、山本に代えて矢野峻寛を投入。前線の運動量を増やし、ロングボールの精度を落とすことを狙った。86分、89分と立て続けにピンチを迎えたが、GK上田がしっかりと抑えて得点を許さなかった。後半アディショナルタイムには、手塚に代わって鴻巣良真がリーグ戦デビュー。慶應大が1-0で勝利し、今季初白星を無失点で飾った。

 勝ち点3、失点0。慶應大が非常に大きな勝利を手にした。法政大にボールは持たれたが、最後のところでは相手の自由を奪い、攻撃へ転じるゲームプランを良い流れで遂行することができた。そして何よりも、チームを愛し、チームに愛される加瀬澤の先制点が“荒鷲軍団”を勢いづかせたことは間違いない。

 周囲から優勝候補と目されながらも開幕から2連敗を喫した慶應大。須田芳正監督が「そんな甘くないと知らされた」と語るように、関東リーグは“戦国時代”の様相を呈している。だが、この一週間は自分たちがどのようなチームなのかを見つめ直した。「気持ちで負けないこと」、「謙虚に戦うこと」を実行し、見事に勝利をつかみ取った。慶應大の“本気”はまだまだこんなものではない。

文=森本凜太郎(慶應スポーツ)

選手のコメントは慶應スポーツのホームページ(http://keispo.org/wordpress/?p=36056)で閲覧できます。またTwitter(@keispo2015)にて毎節試合速報をしておりますので、そちらもご利用ください!

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