文=濱田祥文
12月29日、第24回全日本大学女子サッカー選手権大会(インカレ)の準々決勝が行われ、神奈川大学と静岡産業大学が対戦した。
2011年以来の優勝を狙う神奈川大と、初のベスト4を狙う静岡産業大の一戦は、激しいアタック合戦となった。
前半は、静岡産業大がサイドを起点とした攻撃でリズムをつかむ。17分、右サイドからのクロスボールにFW尾田緩奈が反応し、DFに囲まれながらも強引にシュートを放つがGKの正面。27分には、左サイドでボールを受けたMF石田梨紗が、ドリブルで中に切りこみシュートを放つがクロスバーをたたきゴールならず。続く36分には、ゴール前の混戦にFW尾田が飛びこむが、ここはGK長谷好美が好守を見せピンチをしのいだ。
対する神奈川大は、ボールは保持するものの決定的なチャンスをつくることはできず、このまま前半終了。0ー0の同点で折り返す。「前半は思い通りに自分たちのサッカーが出来なかったが、後半は良い形で入れた」と試合後に大槻茂久監督が振り返ったとおり、後半は神奈川大がボールを支配し、猛攻を見せる。
54分、中央でボールを受けたMF梅津美絵のスルーパスに、左サイドを駆けあがったDF大隅沙耶が反応しシュートを放つがGKの正面。65分には、MF瀧澤莉央が左サイド敵陣深くからドリブルで切れこみシュートを放つが、GKの好セーブに阻まれゴールを奪うことができない。
なかなか得点が奪えない展開が続く中、ついに試合が動く。84分、MF佐々木日菜乃のスルーパスにMF根本彩夏が反応。身体を投げだしながら放ったシュートがゴールに吸いこまれ、神奈川大が待望の先制点を奪う。勢いに乗った神奈川大学は、直後の86分にも、MF天谷かおりのパスから抜けだしたMF田中萌が一対一を冷静に押しこみ、リードを2点に広げる。
静岡産業大も最後までゴールに向かう姿勢を見せるが、試合はこのままタイムアップ。終盤に2ゴールを奪った神奈川大が4年ぶりの準決勝進出を決めた。
試合後、神奈川大キャプテンのDF丹羽衿花は「なかなか点が取れなかったが、ゴールに向かう姿勢や攻守の切り替えなど集中して試合ができた。良い雰囲気の中、楽しく試合ができて良かった」と試合を振り返った。また、「試合を重ねるごとに昇り調子になっている。応援を含めチームが良い雰囲気になってきている」と、ここまでの大会を振り返るとともに、「神奈川大の強みは攻撃的なサッカー。チャレンジャーの気持ちで自分たちのサッカーを思いっきりぶつけたい」と準決勝への意気込みを語った。
準決勝は1月15日に味の素フィールド西が丘で行われ、神奈川大は徳山大学と対戦する。
【得点者】
84分 0ー1 根本彩夏(神奈川大)
86分 0ー2 田中萌(神奈川大)