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慶應大、大体大に先制許し惜敗…日本一への挑戦絶たれる/インカレ2回戦

2015.12.13

文=池田麻里子(慶應スポーツ)

 関東大学リーグ戦を終え1カ月がたち、ついに日本一への挑戦が始まった。関東第3位の慶應大は、シードで2回戦からの出場。相手は、1回戦で2得点の活躍を見せた澤上竜二(セレッソ大阪加入内定)を擁する関西の強豪、大阪体育大学だ。前半は、互いにせめぎ合うも得点までは至らずスコアレスで折り返す。しかし、後半チャンスをつかんだのは大体大。53分に、右サイドから崩され先制点を許してしまう。この1点を守り切られ、慶應大は涙の敗退となった。

 井上大の欠場により、左サイドバックに豊川功治を起用。ボランチには、アルビレックス新潟でプレーしていた端山豪が戻る。

 慶應大は、試合序盤からセットプレーのチャンスをつかんだ。だが、大体大の守備がそう簡単にゴールを割らせない。グラウンドの状態も悪く、パスがうまくつながらない部分をロングボールでカバーする。すると27分、手塚朋克が相手選手をかわしながらドリブルでサイドを上がると、田中健太へ。田中のシュートは相手DFの壁に阻まれるが、こぼれ球を渡辺夏彦がシュート。チャンスではあったが、これは相手GKに抑えられてしまう。その後、互いにゴールに迫るが決めきることができない。慶應大は、宮原隆志のファインセーブや久保飛翔の高さで、ピンチを切り抜ける場面も見られた。激しい攻防も、前半は0-0で終了。勝敗は後半に託された。

 ハーフタイムに、田中に代わり松木駿之介が入り、チーム全体が気を引き締める。応援の声も強まった。しかし、無情にもチャンスは大体大に。53分、右サイドのクロスに10番澤上が反応。彼のヘディングがゴール前の11番久保田駿斗の元に届くと、ゴールネットの隙に押しこまれ、先制点を許してしまった。69分、渡辺に代わり宮地元貴が入り、巻き返しを図る慶應大。攻撃は慶應大がペースを握り始めた。72分、手塚のドリブルでサイドを崩すが相手の守備が堅い。続けて、75分には端山が中央から強いシュートを打つも、ゴール上のポストに当たってしまう。ロングボールを入れ何度もゴールに迫るが、アディショナルタイムへ突入。90+1分、溝渕雄志のスローインから久保がヘディングを狙う。その際、相手選手のハンドを取ったかに思われたが試合は続行。時間が刻々と迫り、得点ならないまま試合終了のホイッスルが鳴り響いた。ベンチに喜び駆け寄る大体大の選手の横で、慶應大選手は肩を落とした。

 敗退が決定した瞬間、久保主将、山田融副将をはじめ、選手たちの目には涙が浮かんだ。負けたら終わりの1本勝負の舞台で、“日本一”は甘いものではなかった。「力負け」(須田芳正監督)、「勝負弱さが出てしまった」(山本)と、今シーズンの課題を突き詰めきれなかった結果なのかもしれない。しかし、関東リーグ戦第3位、インカレ出場を2年連続で果たしたことは、須田監督が評価するように、選手たちの「立派な」功績だ。とはいえ、「日本一」を狙える位置にいたからこそ、インカレ敗退の悔しさは大きい。この悔しさをバネに、残されたソッカー部員全員で、来シーズンこそ「関東制覇」、そして「日本一」をつかみ取りたい。

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