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明治大、瀬川祐輔や和泉竜司の得点で中京大に快勝/インカレ2回戦

2015.12.11

文=鈴木拓也(明大スポーツ) 
 
 磐石の勝利で初戦を突破した。関東第2シードとして2回戦からの登場となった明治大学は1回戦の逆転勝利で勢いに乗る中京大学と対戦。立ち上がりは若干の硬さも見られたが、23分にFW和泉竜司が先制点を挙げ主導権を握る。リードして折り返した後半にはMF瀬川祐輔のボレーシュートとDF山越康平のPKで2点を追加。90分を通してのチームディフェンスも機能し、3-0の完勝で見事に準々決勝進出を決めた。

 流れをぐんと引き寄せる先制点だった。0-0で迎えた23分、和泉の右足での狙いすましたシュートがゴールネットを揺らす。主将でエース、絶対に欲しかった先制点を奪ったのはやはり背番号10だった。中盤で前を向いた瀬川からペナルティーエリア内のFW藤本佳希へ斜めの早いパスが送られると、スイッチが切り替わる。絶妙なタイミングでエリア内に侵入した和泉は、藤本のヒールでの落としを「流しこむだけだった」とダイレクトで冷静に沈めた。立ち上がりからのチャンスをなかなか決め切れず。つかみ切れていなかった流れを完全に手中に収めた。
 
 冷静かつ大胆に右足を振り抜いた。勝負を決める2点目を挙げた瀬川は「自分でもびっくりした」と謙虚にゴールシーンを振り返る。セットプレーから一度は跳ね返されたボールを和泉が拾うと後方の差波へ。瀬川は「さっしー(差波)からいいボールが上がってくるのは分かっていた」とエリア内でポジションを取り直す。フリーになると、後は差波の鋭く曲がるクロスボールをミートするだけだった。ゴール右隅に突き刺さったボールを見届けると、飛び跳ねて大きく手を振り上げた。4年の夏にようやく定位置をつかんだ瀬川はこの試合のマンオブザマッチ。「これが最後なので絶対に優勝したい」(瀬川)。いまだ無冠の4年生の意地が勝利をもたらした。
 
 明治大「らしさ」が存分に発揮された。攻撃では少ないタッチ数とテンポの良いパス回しで相手に出どころを絞らせない。パスワークから藤本、MF土居柊太らがドリブルで前に突っ掛け攻撃にアクセントを加えた。守備では高い位置でのプレスからパスコースを制限すると、センターバックの山越、DF小出悠太が素早い出足で相手の起点となるところをつぶす。「選手たちがピッチの中でよく考えてくれた」と栗田大輔監督。GK服部一輝のコーチングは90分間響き渡り、誰ひとり集中力を欠く者はいなかった。相手が1試合消化しているだけに、どうしても後手に回りがちとなるシードでの初戦だが「良くはなかったけど、うまくいかないという前提でみんな取り組んでいた」(和泉)。割り切ったプレーで重要な一戦を制した。

 準々決勝の相手は関東リーグのライバルでもある順天堂大学。プレーオフでインカレ出場を決めた順天堂大は1回戦を逆転で勝ち上がり、2回戦でもそのレベルの高さを見せつけた。今シーズンリーグ戦では2勝を挙げてはいるものの「リーグのことは関係なしに、どっちの勝ちたい気持ちが上回るかだと思う」と藤本。リーグ戦から格段に質を上げてきた順天堂大に対する慢心はない。昨年涙をのんだ初戦を突破した勢いそのままに、関東勢対決を制し準決勝への切符をつかむ。

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