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中西哲生氏も“あっぱれ”の勝利、同志社大が逆転で2部A優勝を決める/関西学生リーグ2部Aリーグ

文=西村健汰(同志社スポーツアトム)

 4戦連続の逆転勝利で2部A優勝を決めた。今節も序盤から相手にゲームの主導権を握られる苦しい展開。37分には大阪教育大学に先制点を許してしまう。それでも後半立ちあがりに岡村悠矢が自ら得たPKを決め同点に。直後の51分にはまたしても岡村が決め勝ち越しに成功。その後は大阪教育大の猛攻を耐えしのぎ、見事に栄冠を手にした。

 因縁の相手との大一番を制した。大阪教育大には前期こそ勝利したものの、昨シーズンは逆転で2敗を喫している。サッカーの世界で“たら”“れば”は禁句だが、2勝していれば昨シーズンの1部残留の可能性は跳ね上がっていたはずだ。そういった相手と優勝のかかった試合で対戦することに不思議な縁を感じずにはいられない。不穏な空気に包まれながらゲームは始まった。ここ数試合と同様に、立ちあがりはペースをつかみきれない同志社大。ショートパスがつながらず、単調な攻撃に終始してしまう。くさびのボールを大阪教育に狙われて、カウンターを食らうというシーンが連続した。対する大阪教育大はハイプレスが功を奏し、次第にペースをつかんでいく。37分、大阪教育大は同志社大陣内でのスローインからつなぎ、最後は中央で待ち構えた選手が決めて先制に成功。同志社は決定機を作れないまま前半を終えた。

 スタッフ陣に喝を入れられて臨んだ後半、ついに“スロースターター”同志社大が本領を発揮する。49分、DFラインの裏に抜け出した岡村がDFに競り勝ち、GKと一対一のチャンスを迎える。すると決定機を阻止しようとしたDFがペナルティーエリア内でたまらずファールを犯し、PKを獲得。これを岡村が豪快に決め、試合を振り出しに戻す。押せ押せムードの同志社大は51分、免田朋己のクロスボールを安井修平が頭で折り返す。飛び出したGKの頭上から岡村が驚異の跳躍力で押し込み、後半開始わずか6分で試合をひっくり返した。ビハインドを負った大阪教育大だが、自動昇格がかかっており猛攻を仕掛けてくる。同志社大は終盤に長谷知季を投入し、5バックで対応。相手の攻撃を免田のスーパークリアなどで何とか跳ね返した。そして、5分という長いアディショナルタイムを終えて試合終了。この瞬間、同志社大の2部A優勝が決定した。

 歓喜よりも不安を感じるゲームだった。試合後、優勝が決定したにもかかわらず、選手たちは盛りあがりに欠けていた。西村拓馬の男泣きは感動的だったが、他の選手の喜び方には物足りなさを感じずにはいられなかった。素直に喜べなかったのは、選手たちそれぞれの危機感によるものだろうか。「消極的にならず、多少の失敗を恐れずにもっとチャレンジしてはつらつとした入りができると思っていた。思いきりの良さが極端に少ないゲームだった。自分たちの力を100パーセント出しきって支配されるのであれば、まだまだ戦い方を変えるなどの対策や次への課題にもつながるが、自分たちがベストでない状況では、課題なのか気持ち的な問題なのか、本質的な問題がぼやけてしまうところに不安を感じる。優勝したこと以上にまだまだ課題が見えた」(望月慎之監督)。指揮官も警鐘を鳴らさずにはいられなかった。

 しかし、サンデーモーニングのコメンテーターを務める中西哲生テクニカルアドバイザーは“喝”ではなく“あっぱれ”だ。試合後、重苦しい空気の漂う選手たちに中西氏は言葉をかけた。「優勝したのだからもっと喜んでもいい。だが、優勝が決まってもまだ足りないところを追求する姿勢は素晴らしい」。川崎フロンターレのレジェンドとして名を馳せた現役時代、そして引退後も豊富なキャリアを積む男の言葉は重い。次節、中西氏は所用によりベンチ入りすることができない。それでも、レジェンドの想いを胸にした選手たちは吉報を届けることだろう。

 スペインのリーガエスパニョーラには、優勝が決定したチームの選手入場時に、相手チームの選手が花道を作って迎えるという伝統がある。相手チームにとってはこの上ない屈辱だろう。同時に、迎えられる優勝チームは負けが絶対に許されない状況となる。当然、関西リーグにこのような伝統はないものの、王者が負けられないことに変わりはない。気づけばリーグ戦も17試合を消化し、残すは1試合のみ。次節はこのメンバー、この応援、そしてこのチームで戦うラストマッチとなる。王者のプライドに懸けて、求められるのは勝利のみ。今度こそ、心の底から喜びあおう。

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選手のコメントは同志社スポーツアトムのホームページ(http://doshisha-atom.net/)をご覧ください!Twitter(@atom_doshisha)では試合の速報もしています!

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