2015.11.16

エースとしての重圧に打ち勝ち、2得点の早稲田大FW山内寛史…19年ぶりのリーグ制覇から新たな歴史作りへ

サッカーキング編集部

文・写真=平柳麻衣

「自分が点を取らないと勝てないと思っていた」。3年生エースの山内寛史は、11月15日に行われたJR東日本カップ2015関東大学リーグ戦第22節、早稲田大vs法政大学戦で2得点を挙げ、早稲田大を19年ぶり26回目のリーグ優勝に導いた。

「長所も短所も考えすぎてしまうところ」と自己分析する山内は、リーグ戦が終盤に近づくにつれて不安を募らせていた。「今まで感じたことがないくらい、本当に優勝したいという気持ちが強まっていって、ラスト3節、2節は1週間経つのが長かった」。2位明治大学は14日に一足早く慶應義塾大学との最終節を終えたが、「慶應大が勝って(早稲田大の)優勝が決まってしまえばいいのに」という山内の願望は叶わず、早稲田大が頂点に立つためには勝利が絶対条件となった。

 優勝への気持ちが募る一方で、エースとしてのプレッシャーも抱え続けた。「チーム内に得点を取る選手が多くない中で、自分が取らないと勝てないと周りから言われたし、ずっと自分自身にも言い聞かせてやってきた。最終節は観客もたくさん来るし、自分がどれだけできるか不安しかなかったし、こんなビッグチャンスを逃したらどうなるんだろうと考えたりもした」

 それでも試合前までには気持ちを整理することができた。「やれることは今まで自分がやってきたことしかないし、古賀(聡)監督から『後先のことを考えても何もないから、1試合1試合しっかりやれ』と言われて、無駄な考えはやめようと思えた」。程良い緊張感を持って迎えた大一番で、山内は値千金のゴールを挙げた。

 早稲田大が掲げるサッカーのスタイルは「堅守速攻」だが、山内には受け入れられない時期もあったという。「1年の時はいろんな先輩に怒られたり、指導されたりして、『何だ、このサッカーは』と思っていた」と振り返る。しかし、時間を重ねるごとに先輩たちの勝利への強い執着を肌で感じ、山内にもチームへの献身性が身についていった。「勝つことの喜びや大事さをここまで感じられたのは、絶対に早稲田に来たから。早稲田に来なければ、自分は自己満で終わっている選手だったと思う」。いつからか、山内は「チームが勝つことが何より一番気持ちいいし、みんなが喜んでくれることがうれしい」と感じるようになった。この日も前線から精力的にプレスを掛ける山内の姿があった。守備を全力でこなした上で、得点も取る。それが早稲田大のエースに課せられた使命だ。

 早稲田大は19年前にリーグ優勝を果たした際、翌年に2部へ降格し、そこから1部復帰まで8シーズンを要したという過去がある。山内は「今年のリーグ戦は混戦の中で自分たちがしぶとくやれただけで、絶対的な力があるわけではない」と述べた上で、「初めて見た頂点の景色を来年の後輩に継承していかなければいけない責任がある。連覇したい」と意気込む。「永続的に頂点に立つ」というチームの理念を現実にするため、来年は最上級生となる山内が、真のエースとして早稲田大の新たな歴史を築いていく。

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