2015.11.09

【大学サッカー/注目選手】明治大MF差波優人(青森山田高出身)「勝ちたいという気持ちがそうさせた」

文=鈴木拓也(明大スポーツ)、写真=西田理人(明大スポーツ)

 押しも押されもせぬ「明治の指揮者」がチームを救った。今年7月にJ1ベガルタ仙台への2016シーズン加入が内定した差波優人。逆転優勝へ絶対に勝ち点3が必要だった第21節専修大学戦、0-0で迎えた87分だった。右サイド和泉竜司からのパスをコントロールすると、自慢の右足から放たれたグラウンダーのシュートはゴール左隅に吸いこまれた。「僕自身の自信にもなったし、何よりも優勝戦線に生き残ることができてうれしい」。ボランチとして攻撃のタクトを振り続けてきた背番号7の土壇場ゴールで、明治大は最終節に優勝への望みをつないだ。

「いろんなゴールを決めてきましたけど、4年生のこの時期のゴールは大きいですね。僕の大学のゴールの中でも重要なゴールだと思います。1回左足で持って、左サイドにフリーで諒(髙橋)がいたので最後までパスを出すか迷いましたが、一瞬コースが見えたので感覚で打ったら入ったという感じです。何秒かの世界で僕が判断した結果、点が入ったというのはすごくうれしいです」

 まさにゴールへのパス。何としても得点が欲しい明治大だったが、幾度のビッグチャンスを物にできずにいた。それでも「チャンスは作れていたし、あとはフィニッシュの部分だけでした」。決して焦らなかった天才肌パサーはその一瞬へ神経を研ぎ澄ませる。そして87分。ポッカリと空いたペナルティーエリア手前のスペースに走りこむと、和泉からのパスを左足でトラップ。左サイドを駆けあがってきた髙橋へのラストパスも手札にあった。だが「勝ちたいという気持ちがそうさせたと思います」。差波は思いきって右足を振り抜き、ゴールへのラストパスを選択した。

 必然のスーパーゴールだった。「一瞬でしたが打とうと思った瞬間にコースが空いて、入るか入らないかは別として速いボールで思いきり打ってみたら入ったので、一番僕がびっくりしていました」。持ち前の笑顔で謙虚に振り返るが決して偶然ではない。雨でスリッピーになったピッチを考慮し、低めを意識したグラウンダーのミドルシュート。滑るように加速していったボールはゴール左隅、ここしかないというところへと伸びていった。「元々あれくらいはできる選手。ここ数試合、彼のテンポは良くなってきているし、チームにもいいリズムを与えている。素晴らしいゴールでした」と栗田大輔監督も絶賛。練習量に裏打ちされた正確無比なキックと、経験に裏打ちされた冷静な判断力。「差波優人らしさ」がその一瞬に凝縮されていた。

 ラストシーズンへの思いもひとしおだ。「4年生が多く出ている中で少しでもチームを引っ張ることが、大きく言えば来年以降の後輩にもつながっていくと思いますし、僕たちの経験というのを後輩たちが見てくれればと思います」。低学年からコンスタントに出場を続けてきたが、優勝はあと一歩のところで逃してきた。差波を明治大へと導いたのは井澤千秋ゼネラルマネジャーの熱烈なラブコール。Jリーガー、差波優人を育てあげた明治大への恩返しが「明治でやり残したこと」だと言う。「プロ入りが決まっている中で周囲からの期待というのも間違いなくあると思いますし、そういう期待に応えることが僕の使命」。チームを勝たせることが使命であり、成長の証となる。

 リーグ戦もいよいよ最終節を残すだけとなった。第21節を終え、明治大は勝ち点40で2位。自力での優勝こそ消滅したが、後期開幕時6位からの驚異的な追いあげで首位早稲田大学に勝ち点1差まで迫った。最終節の慶應義塾大学戦に向け「僕自身のリーグ戦は次で終わりますが、最後だからといってこれまでと違うことをするんじゃなくて、今までやってきたことを、いつもどおりの練習の流れで質を求めてやることができればいい準備ができると思います。勝って少しでもプレッシャーを与えることができれば。それで早稲田がどうなるかは分かりませんが、勝ってリーグ戦を終えることができればと思います」。飽くなき向上心で突き進む背番号7は、虎視眈々とリーグ戦ラストゲームへ闘志を燃やす。

MF差波優人(さしなみ・ゆうと)
▼生年月日/1993年6月28日 ▼身長・体重/168cm・62kg
U-19日本代表候補、日本高校選抜、全日本大学選抜を経験。青森山田高時代には日本代表MF柴崎岳(鹿島アントラーズ)とボランチでコンビを組む。来シーズン、J1ベガルタ仙台に加入内定。あだ名はさっしー。

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