2015.10.29

「嗅覚」が生んだ劇的決勝弾。東洋大が首位日体大を下し昇格へ望みをつなぐ/関東大学リーグ2部第19節

文=吉本一生(スポーツ東洋)

 首位・日本体育大学に2-1で劇的勝利。84分に同点弾を許し暗雲が漂ったが、アディショナルタイムに途中出場のFW佐藤仁紀がネットを揺らし1部昇格へ望みをつないだ。この日、敗れた日体大は2部優勝を決め、残り一つの昇格枠は関東学院大学、筑波大学、東洋大学の3校で争うこととなった。

 後半開始から勢いをもって前に出てきた日体大の攻撃をいなし、一気にカウンター。59分、FW仙頭啓矢のスルーパスにFW遊馬将也が抜けだす。DFを切り返しで振りきるとペナルティーエリア内へ走りこんできたMF田中舟汰郎へ。田中が落ち着いて仕留め、待望の先制点を手にする。しかし63分、遊馬が自陣ペナルティーエリア内でファウルを取られPKを与えてしまう。絶体絶命の場面でチームを救ったのはGK沖野泰斗だった。相手が蹴るまでどっしりと構え、冷静にシュートをストップ。「本当に成長した選手」と古川毅監督も評価するように、PK以外にもビッグセーブを連発した。

「沖野がしっかり止めてくれたので、そのまま逃げきるか、相手が前に出てきたところで追加点を奪いたかった」。84分、勝利がすぐそこまで近づいてきた中での失点に、監督は悔しそうに唇をかんだ。CKから一瞬の隙をつかれ同点に。16勝1分1敗と圧倒的な成績で首位をひた走る日体大の底力を見せつけられた。しかし、今季最後の朝霞グラウンドでの試合は、最後の最後までドラマが用意されていた。

 試合終盤投入された2人が大仕事をやってのけた。この日も前線で走り続けた遊馬がボールを背負いキープし、ファールを受ける。すると仙頭が素早くリスタート。ペナルティーエリア内に走りこんだ小島にボールを送ると中央で待っていた佐藤へパス。フリーの佐藤が落ち着いてネットを揺らすと、朝霞グラウンドは歓喜の渦に包まれた。一瞬の出来事だった。前節、途中出場のMF小島正之介が怪我から復帰後初ゴールを決め、今節はその小島のアシストから同じく途中出場の佐藤が決めた。出番約5分で、ゴールへの「嗅覚」を爆発させた。「いつでも出られる準備をしていた」という佐藤。「できることなら全員スタメンで使ってあげたい」。監督も嬉しい悲鳴を挙げる。ピッチに立てるのは11人。1部昇格へ向かってチーム全員が自分の役割をしっかり理解している。

 敗れた日体大は2部優勝が決まり、残る昇格圏は一枠。残り3試合、可能性は3校に絞られた。勝点39の筑大、38の関学大、そして36の東洋大。ライバル2校は首位日体大との対戦を残し、東洋大は最終節に筑大との直接対決を控える。昇格争いは史上まれに見る混戦となった。まずは、次節の朝鮮大学校戦。前期は完敗を喫し、またエース遊馬を出場停止で欠くという不安材料もある。それでもそれ以上に期待できる明るい話題が今のチームには溢れている。悲願の一部昇格へ、勝つこと以外許されない戦いが続いていく。

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