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明治大が理想の試合展開で東洋大に2-0完勝/総理大臣杯

2015.08.13

文=谷澤優佳(明大スポーツ)

 これが明治大学のサッカーだ!三原則を徹底し続けた理想的な試合運びで、東洋大学相手に2-0の完封勝利を収めた。ポゼッションサッカーをしてくる相手に対し、ボールは持たせても最後は決めさせない安定した守備で前半をスコアレスで折り返す。すると後半開始早々の49分、右サイドを突破した藤本佳希のクロスに小谷光毅が合わせ先制点を挙げる。63分にも藤本が自らゴールに沈め追加点。今シーズン最高の試合を見せベスト4に進出した。

 副将の左足がチームの堅守に応えた。後半49分、藤本がドリブルで右サイドを崩すと中央にクロス。相手DFが足を出してきたのを確認した小谷が一度ボールを落とし反転してシュートを放つと、GKの横をすり抜けゴールネットを揺らした。「勝ちたいという気持ちがゴールにつながった」とゲームキャプテンも務めた小谷が得点を決め、チームに勢いをもたらした。前半終盤の相手に押しこまれる時間帯を耐えきり、HTに守備から入り、チャンスを決めると話したとおりの鮮やかな試合展開を見せた。

 追加点の時間帯も絶妙だった。先制点をお膳立てした藤本は、少し相手にボールを持たれていた63に自身でも得点。「GKとDFの間に走ればと前を向いた瞬間に感じた」(藤本)と中盤から抜けだし、ドリブルで持ち込むとGKとの一対一も落ち着いてゴールに流し込んだ。「半端ないくらいゴールに飢えていた」モンスターの追加点で勝負の行方を決定的にした。

「今シーズンで最高のゲーム」(栗田大輔監督)。指揮官から絶賛を受ける理想の試合運びを見せた。「明治の総合力が出た」(小谷)と「球際・運動量・切り替え」の三原則を最後までピッチ上で体現。堅守からのサイドからのクロス、中央突破など多彩な攻撃で相手を圧倒した。被シュート数は11本だったが、組織的な守備で枠を捉えさせず。「全員が守備の意識を統一できているし、割りきれている」(服部一輝)と最後尾から守備を統率するGKも納得の表情だった。

 選手全員の意識統一でなされた完勝だ。短期決戦ということもあり、2日前の2回戦からスタメンを5人入れ替えて臨んだ。伊池翼は公式戦では昨年度天皇杯2回戦以来と久々の出場。途中交代で入った牛ノ濱容も公式戦初出場と新鮮なメンバーでの試合となった。その中でもベストゲームと言わしめる試合展開を見せたのは選手全員の共通認識によるもの。伊池、柴戸海の守備的なWボランチの起用もあり、中盤で多くのピンチの芽を摘み攻撃につなげた。良い守備から良い攻撃へ、明治大サッカーの真骨頂が見られた好ゲームとなった。

 次戦は14日の準決勝、流通経済大学戦となる。流経大は準々決勝で阪南大学との互いに決めきれない苦しい戦いに84分のゴールで終止符を打ち、勢いに乗って勝ちあがってきた相手。守備的なチーム同士堅い試合展開となることが予想されるが、今試合のように堅守からの素早い攻撃を見せることができれば勝利に大きく近づける。明治大はターンオーバー策で主力メンバーを温存できているのも好材料だ。決勝で流経大に敗れ準優勝に終わった2年前。その借りを返し、流経大の3連覇を止める時がやってきた。「関東勢には負けられない」(服部)と関東王者の意地を見せ、決勝進出を決めて見せる。

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