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U-15日本代表がインハイ準優勝の市船相手に奮戦

2015.08.27

文・写真=安藤隆人

「前回の対戦で全く何もできなかった。だからこそ、もう一度やりたかった」。森山佳郎監督がこう話したように、6月の千葉合宿で、U-15日本代表は市立船橋高校と練習試合をしていた。

 中学3年生が軸となるU-15日本代表に対し、市立船橋はベストメンバーで臨んだ。これは森山監督の強い要望によるものだった。「うまいだけではこれから先、通用しなくなる。うまさに戦う姿勢や、格上を相手に何ができるかを模索しながらプレーできる選手にならないといけない」。森山監督の強烈なメッセージを市立船橋の朝岡隆蔵監督が受け止めたからこそ、市船はトップチームで臨んできたのだった。結果は、冒頭の森山監督の言葉どおり、0-5の完敗(45分×2本)。スコア以上に、内容も完全に市立船橋の圧勝だった。

 だが、このメッセージを選手たちがしっかりと受け止めたことで、“リベンジマッチ”の中身は大きな変化をした。結果こそ45分×3本ゲームで2-7と大敗を喫したが、ケガのFW永藤歩(モンテディオ山形入団内定)を欠く以外は、ほぼベストメンバーの市立船橋を相手に、組織的な守備を見せ、攻撃面も個の局面では凌駕するシーンも多々作りだした。特にFW宮代大聖(川崎フロンターレU-15)、FW棚橋尭士(横浜F・マリノスジュニアユース)、MF久保建英(FC東京U-15むさし)、MF福岡慎平(京都サンガF.C.U-15)、左サイドバックのDF岩井龍翔司(横浜F・マリノスジュニアユース)、DF瀬古歩夢(セレッソ大阪U-15)、GK青木心(JFAアカデミーU15)などは気迫のこもったプレーを見せ、成長の跡を見せた。

 これには市立船橋の朝岡監督も「前回戦った時は、『中学生』という感じのチームで、守備面も意図がバラバラで、ぼやけていた部分が多かったけど、今回は全く違った。一人ひとりが代表のプライドを持って、自信を持ってプレーをしているのが節々に伝わったし、守備も統率ができていて、前回よりも崩すのが難しかった」と賛辞を贈った。

「前回よりもっとボールに対して厳しく、激しくプレーしようと思っていた。勝ちたかった」と、1本目にボランチで冷静なポジショニングとボール奪取を見せた福岡が語ると、「FWがみんな良い選手ばかりなので、自分はここで結果を残せるか。かなり強い気持ちでこの合宿に臨んでいる」と、3本目の4分に鮮やかなロングループシュートを決めた棚橋も語る。彼らの言葉と戦いぶりが、森山監督の意図が徐々にチームに浸透していることを実証した。

「まだまだ。もっと戦える選手を一人ずつでも増やしていかないといけない」。来月に迫ったAFC U-16選手権予選を突破し、来年のAFC U-16選手権、2017年のU-17ワールドカップで躍動するために。森山ジャパンは“真の戦う集団”になるべく、着実に前進をしている。

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