2017.12.29

【高校選手権展望】<日本文理>新潟の新勢力 躍進の理由は“中高一貫指導”

日本文理 [写真]=平野貴也
元スポーツナビ編集部。フリーに転身後はサッカーを中心に様々な競技を取材するスポーツライターに。

 新興の2大勢力がリードしようとしていた新潟県に、新たな勢力が台頭して来た。第96回全国高校サッカー選手権大会に出場する日本文理だ。これまでは県1部リーグが主戦場だったが、今季は初めてプリンスリーグ北信越に参戦して4位と健闘。さらに、夏のインターハイ、冬の選手権でともに初の全国出場を果たした。1984年の創部から34年目の快挙だ。

 躍進の背景にあるのは、2012年に駒沢隆一監督を代表者としてジュニアユースチームのエボルブFCを立ち上げて進めてきた中高一貫指導。主将のDF長谷川龍一やMF伊藤駿、FW亀山来駆ら3年生は、エボルブの1期生にあたる。エボルブ出身者で出来上がったベースに、アルビレックス新潟の育成組織で育ったFW久住玲以や快足アタッカーの横山隼介らが加わり、攻撃力のあるチームに仕上がった。

 久住と横山のサイドアタックは強烈。全国大会でも通用する武器だ。久住は、パワフルなドリブルから器用にラストパスを供給するチャンスメーカー。横山はスピードがあり、高速ドリブルや背後への抜け出しで相手の守備網を破る。中盤はロングスローを投げる古木雄大と、攻撃力のある伊藤が軸。敵陣へ押し込む両翼に絡んで攻撃の選択肢を増やす。守備は、主将の長谷川が最終ラインを統率。左DFには9月に頭蓋骨陥没骨折を負った田中拳斗が戦列復帰。ヘッドギアを装着してプレーしているが、県予選の準決勝でヘディングシュートを決めるなど、空中戦の強さを失わずにタフさを見せている。

久住玲以

攻撃の要・久住玲以 [写真]=平野貴也

 新潟では、2012年度の第91回大会で小塚和季(現レノファ山口)を擁した帝京長岡が全国8強に入って以来、同校と新潟明訓が代表の座を取り合う展開が多かった(93回大会は開志学園JSC)が、新たな勢力が名乗りを挙げた格好になった。日本文理は、まだ全国大会での経験が少なく、インターハイは初戦で阪南大高に3点を奪われて完敗。久住は「県内でもプリンスでも通用していたフィジカルには自信があったけど、相手の強さにビックリした」と話し、駒沢監督も「全国のスタンダードには、まだ届いていない」と厳しく指摘した。夏の経験を生かし、持っている能力を全国レベルに適応させられるかどうかが、さらなる躍進を遂げるポイントとなる。

 阪南大高戦の失点は、すべてセットプレー。インターハイ後は、注力して克服に努めて来た。2年生GK相澤ピーター・コアミの台頭は、大きい。相澤は、ガーナと日本のハーフで187センチの長身を誇る。空中戦に強く、パワープレー対策で効力を発揮。また、強力なキックを持っており、両翼をカウンター攻撃で生かすこともできるようになった。攻撃陣も久住が「正直、後悔しかない。もう一度、全国で借りを返したい」と話すなど再挑戦に意欲的だ。初戦の相手は、独特のセットプレーを持つ曲者の立正大淞南が相手。夏からの成長を初戦から試されることになるが、今度こそ、全国で通用する日本文理を見せつけようと、闘志を燃やしている。

取材・文=平野貴也

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