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日章学園の猛攻をしのいだ守備が機能 …1点を守りきった富山第一が辛勝/選手権2回戦

2016.01.03

文=篠幸彦(提供=ストライカーデラックス編集部)

 富山第一高校日章学園高校という力のあるチーム同士の戦いとなった2回戦。拮抗した試合を制したのは、2年前に全国制覇を成し遂げた富山第一だった。

 前半は立ちあがりからお互い素早いプレスの応酬で、どちらもイニシアチブを譲らないという激しい展開が続いた。コンパクトな距離感を保ち、狭いスペースの中でボールを蹴り合う時間帯が続いていたが、前半28分、日章学園に一瞬のスキが生まれる。

 鋭いカウンターを受け、日章学園のDFラインが揃わずにギャップができたところを富山第一FW坂本裕樹がフリーで抜けだした。GKとの一対一を冷静に沈めて、前半唯一の決定機ものにした。「ゲリラ戦法のようなものですかね」(大塚一朗監督)という、富山第一の少ないチャンスを生かす今年のチームの色が出た得点だった。

 日章学園は前半からMFを交代するなど、流れを作りたかったが、「トップ下のキャプテンが出られず、代役の選手をいろいろ試したがうまく機能しなかった」(早稲田一男監督)と、大黒柱の不在が日章学園の攻撃を機能不全にしていた。

 そんな日章学園に対し、富山第一は柔軟に布陣を変更しながら対応した。後半途中から相手が攻勢を強めると、4-4-2のダイヤモンドだったシステムをフラットな4-4-2に変更。相手にボールを持たせてもいいから、中央を固めて中には入れさせなかった。

「相手の時間帯は絶対にあるので、そういうときにどれだけ自分たちが頭を使って守備の形を変えられるかが大事」と、その判断は監督の指示ではなく、キャプテンの早川雄貴を中心とした選手たちの判断だった。「自分たちのいいところをうまく消されてリズムが作れなかった」と、早稲田監督も富山第一の対応力に苦戦したと話す。

「不細工ですけど、夏から徹底してやってきた自分たちの形が出せたと思います」(大塚監督)と、攻撃力のあった2年前とは違う、堅守の富山第一が初戦を逃げきった。

(コメント)
富山第一
大塚一朗監督
 こんな感じの試合になるだろうとは思っていた。サッカーにはならないだろうなと。うちは2年前ほどの力はないので、やることを徹底して、不細工だけど結果を残そうといっていた。本当に内容は良くないけど、1-0で勝てたことはよかった。イタリアでは1-0が美しいといわれるので、そういう試合ができるようになったのかなと思います。

早川雄貴
 6番の野崎(悠)選手を中心にDFラインの裏にいいボールが何回か入ってきたので、そのボールの対処は難しいところがありました。最初の15分がカギだと話していて、その15分では取れなかったんですけど先制点が取れたことが勝利につながったと思います。

日章学園
早稲田一男監督
 一言でいえば、残念。自分たちの良いところをうまく消されてリズムを作れなかった。終盤は確かに押しこむ場面も多かったんですけど、うち本来のゲームの進め方ではなかった。この一年で作り上げてきた力をこういった舞台で発揮できるような内容と結果が出せたらなと思ったんですけど、それができなかった。

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ストライカーデラックス高校サッカー特集ページ(http://www.soccerstriker.net/html/matchreport/sensyuken94th/sensyuken94th_index.html

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