文・写真=安藤隆人
昨年度の全国高校サッカー選手権。FW松木駿之介(慶應義塾大学)、センターバックの菊池流帆(大阪体育大学)らを擁し、優勝候補に挙げられていたが、中津東高校にPK戦の末にまさかの初戦敗退。この悪夢から今年の1年がスタートした。
GK廣末陸、DF常田克人、DF北城俊幸など、昨年のレギュラーが軸となり、さらに選手権後に東京ヴェルディユースからMF神谷優太がやってきたことで、今年も高い戦力を有するチームとなった。高円宮杯プレミアリーグEASTは安定した戦いを見せ、インターハイでも優勝候補の筆頭に挙がった。
しかし、選手権での悪夢を再現するように、初戦の久御山高校戦でチームは敗れ去った。「相手のやりたいことをやらせてしまった」と常田がうなだれると、キャプテンの北城も「みんな本来の動きじゃなかった。おかしいまま終ってしまった」と、本来の姿を失っていたチームを嘆いた。
「これで自分たちは強くないとはっきりした。自覚を持って、イチからやるだけ」と神谷が口にしたように、インターハイ後の夏合宿で、チームとしての意識をもう一度高めた。そして、プレミアリーグEASTで2位という結果を残したが、『優勝を逃した』悔しさが残った。
「このチームはまだ何も結果を残していない。だからこそ、選手権を取らないといけないんです」(神谷)。
今大会も優勝候補の筆頭に挙がっているが、彼らは決して驕ってはいない。なぜならば、前回大会とインターハイでの経験が、彼らから『慢心』という心を完全に奪い去っているからだ。