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3度目の決勝で全国大会初出場をつかんだ阪南大高

文・写真=前田カオリ

 どちらが優勝しても、初めての全国大会出場となる大阪府の選手権予選決勝。大阪府下215校の頂点に立ち、念願の全国大会初出場の切符を手に入れたのは、阪南大学高校だった。

 前半30分、セットプレーから得た決定機を逃さず、福元祐介がヘディングでゴールへと叩きこむ。この得点が、決勝で唯一ゴールネットを揺らしたシーンとなった。

 阪南大高は、これまで2度決勝まで駒を進めたものの、あと一歩のところで涙をのんできている。濱田豪監督は、「優勝できた今年の方が(決勝まで勝ち進んだ過去2回よりもチームとして)優れているかといえば、そういうわけでもなかった」と話した。

「勝ち上がるごとに選手たちのテンションは上がっていったものの、決勝までに格上と戦ってきたわけではなかったので(勢いからくるチームの一体感に関しては)少し難しいところもあった」と語ったように、阪南大高は、この大会において同等(高円宮杯U-18サッカーリーグ2015プリンスリーグ関西)以上との対戦は1戦もなかった。対する興國高校は、高円宮杯U-18サッカーリーグ2015プレミアリーグの履正社高校やプリンスリーグで現在首位の近畿大学附属高校などの格上を下してきている。

 応援スタンドでは得点するまで興國の雰囲気に圧倒されているような部分も見受けられたが、選手たちは各々が果たすべき役割に集中してプレーできていた。「この1週間、きっちりとテーマを持って、自分たちらしさを植え付けた」ことで、決勝直前にしてやっとチームが1つになった手応えは感じていたという。「守備面での統一をしっかりできれば、絶対にうちの良さは出せると思った。選手たちもみんな、それができたら絶対にやれると分かっていたはず」と話したとおり、興國にボールを持たれる時間は多かったものの、辛抱強くボールを取り戻せる機会を狙い続ける。ロングパスを中心にゴール付近に入ってくるパスはしっかりと抑え、決定的なシュートチャンスを作らせた回数は片手で数えられるほどしかなかった。

 今年のチームには2年生に良い選手も多く「去年ほどは(3年生を中心に)できてなかった」が、濱田監督には「選手権には、やはり3年生を中心にやらせてやりたい」との想いもあった。

 決勝点をあげた福元は、その「3年生」のうちの1人。今大会では4試合前の前半に出場したのみで、出番の多い選手ではなかった。決勝では「何かやってくれるんじゃないかと期待して起用した」ものの、試合前には前半20分で交代させるつもりだったという。試合の流れを読み、予定していた出場時間よりも引っ張ってプレーさせたことが決勝ゴールを生んでいる。

 出場機会を与えてもらった3年生たちが指揮官の想いに応え、全国大会へと導く結果となった。

「他の学校のように、突出した選手がいるわけではない」分、誰が活躍してもおかしくない状態であると言えるだろう。どの選手が出場しても、どの選手が交代しても、チームの質が落ちないことは強みだ。

 チームが一丸となって懸命に戦う「阪南大高らしさ」を武器に、初の全国大会に挑む。

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