2015.11.05

“究極のパスサッカー”から個でも打開できるチームへ…進化を続ける横浜創英高校

サッカーキング編集部

文・写真=平柳麻衣

 神奈川県の高校サッカーは、毎年のように下克上が起こる。「だから面白いんじゃないですか」。そう語るのは、神奈川県横浜市に所在する横浜創英高校で、2005年からチームの指揮を執る宮澤崇史監督。2002年の男女共学化に合わせて創設されたサッカー部は、宮澤監督の下で確実に力をつけ、2013年には初の全国高等学校総合体育大会(インターハイ)出場を果たした。

 横浜創英高校が目指すのは、ポゼッションサッカーだ。ボールコントロールと短いパスの精度を極めることをチームの基礎としている。「50メートルのパスを蹴る必要はない。その50メートルを、5人で10メートルずつつなげばいい」(宮澤監督)。必要とするのは、パスをつなぐための技術。それが得点に結びつくという考えに基づいている。「例えば、ドイツ代表は体格の良さを活かし、オランダ代表はスピードのある選手に頼ってやっているけど、日本人の特性が評価されているのは、香川真司選手や清武弘嗣選手、岡崎慎司選手のような技術と判断、そして敏しょう性。だから、いかに判断のスピードを上げて、相手選手につかまる前にボールを動かしていくかが大事」と、宮澤監督は語る。

 しかし、理想は少しずつ変化している。2年生が主体となった2015年度のチームにおいて、宮澤監督はパスへのこだわりを少し緩めた。「昨年まではずっとパスにこだわってやってきたけど、パスコースが見つからない時に、ボールを下げてしまうことがよくあった。下げて、下げて、最終的にロングボールを蹴って取られてしまう。それでは前に進めないので、今は自分でパスコースを作るために、相手選手を外すドリブルをやらせている。スペースがあったら自分で運ぶ。ファーストディフェンダーが来たらパスをする」

 トレーニングの中では、ドリブル練習に割く時間も多い。「うちの選手たちが一つ上のランクでやるためには、局面を自分で変える力を持つこと。今までは、コースが見えるところにしっかりパスを通すことをやってきたけど、やはりレベルが高いチームとやると、コースを消されてしまう。そこを自分の力で打開するために、相手をかわして状況を変える。その力をつけさせたい」。スペースがあればドリブルをする、相手にプレッシャーをかけられたら自分でかわす。ゴール前では、選手たちの自由な発想でプレーすることも推奨している。

 ただ、まだ結果に結びつかない部分もある。平成27年度第94回全国高等学校サッカー選手権大会は、神奈川県2次予選の初戦で姿を消すこととなった。3失点のうち、2失点は相手FKから奪われた。宮澤監督は「これもサッカー」としながらも、「甘い。チームも僕も。ポゼッションやシュート、コンビネーションといった技術的な練習をずっとやってきて、試合直前にはセットプレーの練習も入念にやったのに、そのセットプレーでやられて負けてしまった」と、反省の弁が口をついた。

 すでに新チームは始動している。「強豪校との力の差はありますけど、100回対戦したら数回は勝負できるレベルにはある。一発やってやろうと思っています」。主力選手の大半が残っている新チームは、チャンス到来と言える。目標である関東大会、インターハイ、選手権の“3冠”を成し遂げるため、横浜創英高は着々と力をつけている。

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