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1回戦屈指の好カード桐光学園対久御山、小川航基と山本蓮の両校エースが躍動

2015.08.03

文・写真=安藤隆人

 1回戦屈指の好カードは、その評判通りの白熱した一戦となった。

 桐光学園・FW小川航基、久御山・MF山本蓮。この2人のエース対決も注目が集まったこの試合、ともに両エースが躍動して、チームを力強くけん引した。

 先に魅せたのは小川だった。30分、右サイドで相手のヘディングクリアが上空に上がると、素早く落下地点に入り込んで、ボールを受ける。寄せてきたDFをターンで交わすと、そのままダイアゴナルにドリブルで運ぶ。食いついてきた相手センターバックを飛び込ませないような巧みなコース取りでバイタルエリアまで持っていくと、ゴールに対して対角線上にお手本のようなシュートを放ち、ゴール右隅に突き刺した。

 エースの圧巻の一撃に会場はどよめいた。さらに後半開始早々の37分には、左サイドを突破したトップ下のMF鳥海芳樹の折り返しを、ニアに飛び込んで合わせ、2点目のゴールを叩き出した。

 だが、ここから魅せたのは山本の方だった。「0-2になっても『まだまだいける』と思っていた。2点入れられたけど、その後にチャンスは作れたし、徐々に僕らの攻撃のリズムが生まれてきているのが分かりましたから」と、劣勢だったが、手応えを感じていた彼は、高い位置でボールを受けると、前を向いて仕掛ける回数を増やしていった。この姿勢が桐光学園の守備ラインを下げさせ、FW築山隼、和田幸之佑、河﨑蒼太、MF八田陸斗らアタッカー陣の息を吹き返させた。彼らが前を向いて積極的に仕掛けるようになると、桐光学園はファールで止めるしかなくなってしまった。

 54分、右FKを得ると、山本のキックは中央に飛び込んだ河﨑の足下に吸い込まれる。河﨑は巧みなトラップから、冷静にシュートを放ち、1点差に詰めよった。さらに攻め立てる久御山は、59分に左FKを山本が今度は直接狙うと、これはGK指崎尚大に触られ、バーを叩くが、ゴールの匂いが漂ってきた。

 そして62分、ドリブルで左サイドを破った和田の折り返しを、築山が蹴り込んで、ついに久御山が同点に追いついた。

 双方持ち味を出した激戦の勝負の行方はPK戦に委ねられた。迎えたPK戦、桐光学園GK指崎が先に1本止めるが、その後、久御山GK佐藤由維斗が2本ストップし、熱戦は久御山に軍配が上がった。

 エースで先行した桐光学園、エースの作った流れで追いついた久御山。PK戦で決着がついてしまう事がもったいないと思わせてくれたこの一戦。勝敗は決したが、ともにこの一戦がこの先のチームにおいて、大きなプラスになるのは間違いないだろう。

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