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【2022年大会】攻撃力爆発のフェルボール愛知が東海大会を制す!【JA全農杯全国小学生選抜サッカーIN東海】

2022.03.31

 3月27日に『JA全農杯 全国小学生選抜サッカーIN東海』がグリーン・フィールド中池で行われた。全国大会に出場する東海代表の2チームを決める大会で、静岡県、三重県、愛知県、岐阜県から各県2チームが参加し、8チームがトーナメント戦で戦う。

 この大会は8人制で実施され、5年生(4月から6年生)以下の選手たちがエントリー。大会独自のルールとして、3ピリオド制(各12分)が採用されており、第1ピリオドから第2ピリオドにかけてGKを含む全選手が入れ替わらなければならず、第3ピリオドには制限がない。多くの選手にプレー機会を与えると共に、チームの総合力も求められる大会となっている。

 今大会は出場8チーム中、前年度からの連続出場が大山田SSS(三重県)のみとなった。これは、まん延防止等重点措置の適応により、三重県以外の県大会が最後まで行えなかったことが影響している。愛知県はベスト16、岐阜県はベスト8に残ったチームの中から抽選で代表チームを選出。前年度の優勝・準優勝のFCアロンザとVOICEは出場を逃した。また、静岡県は昨年の別大会の上位2チームを県代表としている。今回の出場チームは以下のとおり。

静岡県第1代表:ピュアフットボールクラブ
静岡県第2代表:高部JFC
三重県第1代表:大山田SSS
三重県第2代表:SAKAE FC
愛知県第1代表:フェルボール愛知
愛知県第2代表:ASラランジャ豊川
岐阜県第1代表:ISS. F.C
岐阜県第2代表:飛騨古川JFC

 当日は天候に恵まれたサッカー日和の中で試合が行われた。1回戦はフェルボール愛知が第1ピリオドから強烈なシュートを次々と放っていき、飛騨古川JFCに14-0で大勝。ピュアフットボールクラブは3-1でSAKAE FCを下した。ASラランジャ豊川は接戦の末に1-0で大山田SSSに勝利し、高部JFCは4-1でISS. F.Cを破っている。敗れたISS. F.Cは第2ピリオドで女子選手2名がプレーしており、その12分間を1-0で制する健闘を見せる場面もあった。

 東海代表の座をかけた準決勝、Aコートではフェルボール愛知とピュアフットボールクラブが対戦した。1回戦で圧倒的な攻撃力を見せつけたフェルボール愛知に対して、ピュアフットボールクラブはタイトな守備からのカウンターで対抗する展開となる。しかしフェルボール愛知は前線の水野晴斗が起点となり、両サイドの黒森新と伊藤新之助も果敢に仕掛けて敵陣を攻め立てると、好機を逃さずに4ゴールをあげた。

 準決勝のもう一試合はBコートで、ASラランジャ豊川と高部JFCが対戦。高部JFCはレフティーの栗田虎空が最前線で積極的に動き、左サイドからは山田栞汰がドリブルで、中盤からは遠藤優空がタイミングよく前線へ飛び出して好機を重ねた。守備でも第1ピリオドは小池望良、第2ピリオドは大内慈榮が最終ラインの中央で好守を見せて、5-0で完封勝利をつかんでいる。

 決勝戦はフェルボール愛知と高部JFCが激突。実力を示してファイナルまで勝ち進んできたチーム同士の対戦は、序盤から見応えある攻防が繰り広げられた。

 第1ピリオド、まずペースつかんだのは高部JFC。攻撃で相手ゴール前まで迫る場面を何度か作り出すなどゴールを予感させたが、先制点を決めたのはフェルボール愛知だった。自陣からの縦パスが前線に入ると、ボールを受けた水野がドリブルで敵陣深くまで持ち込んで、左足を振りぬく強烈なシュートを叩き込んだ。「気持ちで押し込みました!」と本人が振り返った豪快なゴールで試合を流れを引き寄せると、その後も伊藤が左サイドから右サイドへピッチを横断して惜しいシュートを放つ。第1ピリオドは1-0で折り返した。

 選手が総入れ替えとなる第2ピリオドも、随所で光るプレーが見られた。フェルボール愛知は最終ラインから攻め上がったDFからパスを受けた安田一平が、ワンツーの中継役としてリターンのパスを出すと見せかけて、中央に開いたパスコースとその先のスペースへ走りこむ味方を見逃さない好判断で決定機を演出したが、裏へ抜け出した選手は高部JFCの懸命の守備を受けてゴールを決められない。第2ピリオドはスコアが動かずに、勝負の行方は第3ピリオドへ。

 その第3ピリオド、両チームとも第1ピリオドの選手たちを中心に戦う。そして3分にゴールが生まれた。フェルボール愛知は初戦から左足で鋭いクロスを連発していた藤部我清がCKを蹴ると、ゴール前で混戦となり、最後は久野篤人が押し込んで追加点。リードを2点に広げた。

 攻めるしかない高部JFCは5分、ドリブルでボールを運んだ山田からのパスを遠藤がフリックでそらし、最後は勝又龍之介が走りこんで合わせたが、フェルボール愛知の竹内がシュートブロックでピンチを防ぐ。その竹内は6分に攻撃の起点となり、水野のポストプレーから黒森がチャンスを迎えたが、高部JFCのGK瀧寧人が好セーブで防いだ。その後も両チームは懸命のプレーを見せたがネットが揺れることはなく、2-0で試合終了。フェルボール愛知が見事、東海大会を制した。

 フェルボール愛知は3試合で20ゴールを叩き出すなど、攻撃力が爆発した。前線で起点となりゴールも決めた水野は「サイドから攻めて、クロスやドリブル突破からシュートへ持ち込めました」と今大会を振り返る。藤部はチームの特徴を「一人ひとりの技術が高い。練習では、ボールが動いている状況でクロスやシュートに取り組んでいます」と話した。攻守で存在感を見せた竹内は「3ピリオドの大会なので、チーム全員の力で勝てたんだと思います。試合の流れを見ながら、判断することも意識しました」と優勝の要因を説明している。

 チームを率いる畠山翔太監督は「新チームになって最初の大きな大会。選手の特徴を確認できたり、発見もありました。ボールスキルを大事にして、選手の成長につなげたいです」とチーム方針を語っている。全国大会へ向けて、キャプテンの青木大和は「チームの力を出し切って、優勝したい」と目標を掲げた。

 惜しくも準優勝に終わった高部JFC。前述したように静岡県大会が最後まで行えなず、県代表に決まったのが大会10日前だったという。設楽幸志監督は「そこから『3ピリオド制をどう戦うのか?』などを考えないといけなかった」と、準備期間が限られた中での準優勝を「上出来です。今やれることをがんばろう、と大会に臨みました。たくさんの選手がプレーできて、いろんな経験ができた。コロナ禍で他県との対戦や交流がなかったですからね。勝ち負け(の喜びや悔しさ)はあるけれど、それを感じることができたことが収穫です」と話している。

 キャプテンの山田は「全国大会ではみんなでゴールを目指して、チームワークで得点を決めたい。優勝を目標にがんばります」と意欲を見せた。

 フェルボール愛知と高部JFCは、5月3日~5日に開催されるJA全農杯 全国小学生選抜大会に東海代表として出場する。

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優勝:フェルボール愛知
準優勝:高部JFC
3位:ピュアフットボールクラブ、ASラランジャ豊川

フェアプレー賞:ASラランジャ豊川

大会優秀選手(12名):
竹内 悠三/フェルボール愛知
藤部 我清/フェルボール愛知
安田 一平/フェルボール愛知
水野 晴斗/フェルボール愛知
幸島 大地/高部JFC
小池 望良/高部JFC
大内 慈榮/高部JFC
山崎 優月/高部JFC
大久保 光琉/ピュアフットボールクラブ
北村 岬輝/ピュアフットボールクラブ
小久保 琥太郎/ASラランジャ豊川
小島 基治/ASラランジャ豊川

取材・文=雨堤俊祐

全国9地区で開催される『JA全農杯全国小学生選抜サッカー』の模様は@zennoh_sportsにてTwitter速報を実施。

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