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滝川第二、2年生アタッカー・辻本竜が躍動…1ゴール1アシストの活躍で8強へ導く

2017.01.04

今大会初出場を果たした滝川第二の辻本 [写真]=兼子愼一郎

取材・文=森田将義(提供:ストライカーデラックス編集部)

 前半2分に辻本竜の右クロスを山田裕也が右足ボレーで決めて滝川第二が先制すると、19分にも辻本がミドルシュートを叩き込み、突き放しに成功。対する佐賀東も31分に川内陽一がGKとの一対一を迎えたが、得点に繋げることができず前半を終えた。後半に入ってからは滝川第二の一方的なペースに。後半13分に奪った溝田大輝の得点を皮切りに、3点を加えると、5-0で試合を終えた。

 大会初先発をつかんだ2年生アタッカー・辻本竜が指揮官の期待に応える活躍で、チームを勝利へと導いた。元々、兵庫県予選では10番を授かるなど、松岡徹監督から期待されてきたMFだが、昨年12月半ばに行った練習試合で左足首をねん挫し、戦線離脱。すぐに練習復帰したもののコンディションが上がらず、1、2回戦はベンチにすら入れなかった。悔しさを募らせる辻本とは裏腹にチームは2試合で8得点を奪うなど攻撃陣が好調をキープ。「(自分がいなくても勝つのが)最初は複雑だった」というが、「チームの仕事とか私生活の面を変えていけば、自分にチャンスが回ってきたときに運がついてくる」とピッチ外での行いを改める転機に。これまでは荷物運びなど、チームをサポートする仕事は避けてきたが、自ら進んでチームの仕事をするようになったという。1、2回戦は偵察用のカメラ係を務めるなどした結果、3回戦の試合前日に松岡監督から「先発か途中出場で試合に使うかもしれない」と声をかけられた。

 いざ、試合当日を迎えるとスタメンに自らの名前があった。「先発だとは思っていなかった」ものの、開始直後の2分にペナルティーエリア右でボールを受けると、冷静な切り返しで相手DFをかわして、利き足である左足でゴール前にクロスを展開。待ち構えた山田裕也が豪快な右足ボレーを叩き込んだ。以降も、緊張しがちな初めての選手権出場にもかかわらず、持ち味であるドリブルで見せ場を作ると、2度目のチャンスは19分。神宮浩気のパスを相手エリア中央で受けると左足で思い切りよく放ったミドルシュートがゴールネットを揺らし、チームの2点目を呼び込んだ。「自分が出たら、絶対に点を決めてやろうと思っていた」との意気込みを達成し、佐賀東を突き放すと、後半15分に交代するまで、果敢な仕掛けで攻撃を活性化。松岡監督は「非常にいいプレーをしてくれた。期待に応えてくれた」と称えた。

 元々はガンバ大阪のジュニアユースでプレー。ユースへの昇格が叶わなかった際に、「選手権で優勝したい」と考え、辻本が小学校のころに日本一を達成した滝川第二への進学を決意した。目標とする頂点まであと3試合。「試合に出られたら、まずはチームのために走りたい。ボールを持てば、失敗を恐れず積極的にドリブルで仕掛けて、ゴールをどんどん狙っていきたい」と意気込んだ。

(試合後コメント)
滝川第二
松岡徹監督
2回戦の大分高さん、今日の佐賀東さんは九州のチームらしく、非常にアグレッシブに我々に向かってくる。厳しい試合になると子どもたちには伝えていました。今日は総合力をテーマにしていたのですが、出た選手、出ていない選手を含め総合力で勝ち取った勝利だと思います。(守備も3試合連続無失点ですが)理由はこちらが聞きたいくらいです。キャプテンの今井悠樹が今大会を通じて非常に成長している。彼だけで、中盤の選手、前線の選手がハードワークしてくれていることが要因だと思います。

佐賀東
蒲原晶昭監督
今年の3年生はこの舞台でここまで来られただけでも合格。チームのスタートを知っている方はビックリするくらい伸び率は高かったと思います。今日は大敗しましたが、人数少ない3年生がここまで引っ張ってくれました。悔しさはもちろんありますが、よく頑張ってくれた1年間だったので、彼らを褒めてあげたい気持ちのほうが強いです。

佐賀東 
9番 中里知己
前半の早い時間帯に失点をしてしまったのですが、そのあとすぐに自分にシュートシーンが回ってきました。そこで決めていれば、流れが変わったはずですが、そこで決められなかったのはFWとしてダメだったと思います。焦ってしまったので、あそこは一番悔いが残ります。相手のレベルが上がって、CBは上手くて強かった。競ってもヘディングで返されてしまうので、さすがだなと思いました。

ストライカーDX高校サッカー特集ページ

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