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佐野日大が18年ぶり8強 「落ち着いて」得意のPKで勝利手繰り寄せた守護神

佐野日大GK中村一貴はPKをストップしてガッツポーズ [写真]=鷹羽康博

 誰もが肩を落とす失点を喫しても、まるでへこたれない精神の持ち主がチームを救った。第95回全国高校サッカー選手権大会は3日に3回戦を行い、佐野日大はPK戦の末に一条を下して1998年度以来2度目となるベスト8入りを果たした。

 前後半の80分は、佐野日大がリードして一条が追いつく展開で進んだ。前半18分、佐野日大は左ウイングバックの梅澤峻が豪快なボレーシュートを突き刺して先制。一条は前半27分に左からのクロスを右MF加茂裕輝が頭でたたき込んで同点とした。前半の終了間際に勝ち越し点を決めたのは、佐野日大のFW大熊啓太だった。長身FW野澤陸のポストプレーを起点に右サイドを攻め立て、小澤亮祐のクロスをヘディングでゴール右隅に決めた。試合内容は互角だが、佐野日大が1点リードという状況のまま試合は終盤を迎えた。ところが、後半終了間際に一条は右コーナーキックで生まれた混戦から加茂が押し込んで同点に追いつき、勝負はPK戦に持ち込まれた。

 佐野日大にすれば、勝利を目前で逃した喪失感を抱えながらのPK戦だ。ところが、GK中村一貴は「PK戦になってほしいと思っていた」と少しも落ち込んでいなかった。中村は、目立ちたがり屋で小学生の低学年時代はFWをやっていたが、現在は神奈川大学でプレーしている3歳上の兄・圭吾さんの影響を受け、小学4年でGKに転向。以来、自分の反射神経の良さを生かせるPK戦は、得意として来た。

 PK戦は、後攻の佐野日大の最初のキッカーとなった梅澤が失敗して苦しいスタートになったが、中村はすかさず2本目をストップ。さらに4本目もストップに成功し、PK戦4-3での勝利に貢献した。「相手の1本目は、少し慌てていて逆に動いてしまった。反省を生かして2本目からは構えを変えて、落ち着いていこうと思って臨んだ」という修正が見事に奏功した。PK戦なら大丈夫、任せておけ――心強い守護神の活躍が、チームを18年ぶりの8強に導いた。

取材・文=平野貴也

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