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交代直後のロングスローで値千金の先制弾、地元・駒大高が2年連続で初戦を突破

2017.01.03

駒大高は高松商業を下して3回戦に進出した [写真]=大木雄介

取材・文=篠幸彦(提供:ストライカーデラックス編集部)

 序盤から激しくボールを奪い合う展開。地元の駒澤大はハイプレスでボールを奪うと、素早く前線に送り、サイドを起点に積極的に攻めた。対する高松商業は最終ラインの粘り強い守備で応戦する。しかし、次第に駒澤大が主導権を握り、後半の17分、交代で入ったばかりの米田泰盛が右サイドからのロングスローをファーストタッチで合わせて先制。駒澤大はこの1点を守り切り、2大会連続で初戦を勝利で飾った。

前半は高松商業の陶山輝佳監督が「立ち上がりの20分をどう戦うかが我々には非常に大事だった」と語るように、駒澤大の激しいプレスからの素早い攻撃に対して、高松商業は高い集中力を持って強固な守備で互角に応戦した。大野祥司監督が「前半があまりにも酷かった」と評するほど、駒澤大は自身たちが思い描くような攻撃の形を作ることができず、ボールは持てるが高松商業の最終ラインに最後のところで跳ね返され続けた。

そんな駒澤大の悪い流れを変えるきっかけとなったのは、後半17分の米田泰盛の投入だった。米田の投入後、右サイド深くのタッチライン外でボールを手に持った高橋勇夢は、ロングスローをペナルティーエリア中央に向けて投げる。そのボールに反応したのが米田だった。ヘディングの競り合いで中央に流れたボールを米田が反転しながら左足でシュート。交代直後のファーストタッチでのゴールだった。

 これに対して高松商業・陶山監督は「しっかりとつくことができなかった。相手の采配、交代のタイミングを賞賛すべきだと思う」と、交代直後でマークがズレてしまっていたことを悔やんだ。一方の駒澤大・大野監督は「あれはうまくいきすぎ」と采配ピタリを喜ぶも、「彼があそこで取ってくれていなければ『惜しい』で終わっていたかもしれない」と、総シュート数15本を打ちながら奪えた得点はこの1点のみという結果に危機感を口にした。

 しかし、前半から果敢にトライしていたロングスローという飛び道具が得点に繋がったことについて聞かれると、「うちはほとんどの選手がロングスローを投げられる」という。先輩から脈々と受け継がれているというロングスローのコツがあり、それは企業秘密だそうだ。今日のように攻めあぐねてしまう中で、流れを無視して結果に結びつけてしまえるロングスローという飛び道具は駒澤大の大きな武器の一つとして注目だ。

(試合後コメント)
駒澤大
大野祥司監督
前半があまりにも酷すぎた。特別なことをやろうとか、いいプレーしようとか、カッコつけようとすると必ず空回りする。それだけは応援してくれている人たちに申し訳ないので、自分たちがやってことを冷静に出せるようにと昨日のミーティングやロッカールームで散々いっていたんですけど、やっぱりいいことしようとしてしまった。(次の対戦相手)山梨学院は6年前に当たって負けているので、できればリベンジしたい。

高松商
陶山輝佳監督
この試合は立ち上がりの20分をどう戦うかが我々には非常に大事だった。それは選手たちがプレーの中で表現してくれた。危ないシーンもあったが自分たちがゲームをなんとかコントロールしようというところは力を発揮してくれたと思う。選手たちは精一杯やってくれて感謝している。ただ、やはり自分たちが奪ったあとの展開でミスをして相手にチャンスを与えてしまうというところが徐々に増えてきて、自分たちの攻撃の形をもっと発揮しなければいけなかった。

18番 船田光希
前半はいい勝負だった。でも後半の途中で点を取られて、そこで途中で自分が交代で入って点を取ったり、アシストしたり、チームが勝てるようできれば思っていた。失点して、どうしても1点が欲しいというところで、とにかく前にという思いで積極的に前に出ていった。

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