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東海大仰星が5回目の選手権へ。勝因は史上最悪からナイスガイへと変貌を遂げた選手たち

決勝戦で2得点を挙げた東海大仰星のMF見野龍太郎(右) [写真]=森田将義

 第95回全国高校サッカー選手権大会の大阪府大会決勝が19日に行われ、東海大仰星が3-2で阪南大高に勝利し、4年ぶり5回目の選手権出場を決めた。

「ナイスガイな集団になった」。試合後、勝因を尋ねられた中務雅之監督が挙げたのはサッカーの内容ではなく、選手たちの精神面での成長だった。

 一度は監督から「史上最悪」とまで言われた選手たちがナイスガイへと変貌を遂げる転機となったのは新チーム結成直後のこと。些細な学校ルールや部内ルールを選手が守れず、中務監督が2週間ほど練習に顔を出さなくなるという事件が起きた。主将のMF松井修二が、「自分のことしか考えていなくて、誰もチームのことを考えていなかった。僕自身もチームをまとめることができなかった」と振り返るように当時のチーム状態は決して良くなく、「監督に見捨てられたと思う瞬間はたくさんあった」。

競り合う阪南大高のMF渡辺滉大(左)と東海大仰星のDF面矢行斗(右) [写真]=森田将義

競り合う阪南大高のMF渡辺滉大(左)と東海大仰星のDF面矢行斗(右) [写真]=森田将義

 ただ、この一件を機に「最初は凹んだけど、監督が戻ってくるまで頑張るしかない。僕たちでやるしかなかったので、自分たちで一生懸命声を出して、頑張りました」(DF吉田純平)と自主性が芽生えたチームは状態が改善。サッカーに関わる部分だけでなく、学校生活や私生活など細部にまで拘るようになったという。

 中務監督も選手も見放したわけではない。選手権予選のベスト16で終わった昨年の反省点を選手の自主性だと考え、「指導者にすぐ頼ってしまう悪い癖を直したかった。試合のピッチでも練習でももっと自主性を身につけたかった」とあえて突き放した。また、今年の3年生は中務監督がクラスを受け持つ学年だったため、監督と選手の距離が近くなりすぎることを危惧したのも練習に顔を出さなかった理由だったという。

藤山海星

東海大仰星の2点目を挙げたFW藤山海星 [写真]=森田将義

「こっちの想いをしっかりと感じて、ピッチや日頃のトレーニングで表現してくれるようになった。受け答えや学校生活の行動など、ナイスガイな部分が見受けられる回数が今年は例年に比べて多かった。まだまだな部分もあるけど、気配りの意識は以前に比べて変わった部分は多い。サッカーに活きる部分はもちろんあるけど、社会人として男として気配りがどれだけできるかは大事。今年はそういった部分の積み重ねが見えた」。そう中務監督が話すように、ナイスガイな部分は高校を卒業してから、より求められる重要な要素。全国での戦いを経験することで、更なるナイスガイに成長するはずだ。

取材・文=森田将義

マドリード・ダービー

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