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「気持ちを見せた」青山学院大、大量5発で後期初勝利 伊藤光輝はハットトリック

2016.09.15

ハットトリックを達成した青山学院大の伊藤光輝 [写真]=内藤悠史

 JR東日本カップ2016 第90回関東大学サッカーリーグ戦2部 第13節が14日に行われ、流通経済大学フットボールフィールドの第一試合では朝鮮大学校と青山学院大学が対戦した。

 遠方まで応援に駆け付けた仲間たちの声に乗って、青いユニフォームを纏う選手たちがピッチ上で躍動した。今季最多の5ゴール、そしてクリーンシート。青山学院大が5-0と朝鮮大学校を圧倒し、後期初勝利を挙げた。

 青山学院大は12試合を終えて4勝1分け7敗、勝ち点13で9位に沈んでいた。後期開幕戦となった4日前の東京農業大学戦では0-2と完封負けを喫し、良い形での“リスタート”とはならず。残りは10試合。残留争いについて考えるにはまだ早いが、降格圏内の11位・拓殖大学との差が2ポイントに迫っている状況下、少しでも勝ち点を積み重ねておきたいところだ。この日の相手は勝ち点差「1」で8位の朝鮮大学校。勝てば順位を逆転できるだけに、重要な意味を持つ一戦だった。

「気持ちを見せてくれたと思う。そのうえで(気持ちを見せたうえで)何ができるか、ということを常に伝えてきていた。ベースとなる部分をしっかりと出してくれた」と、流郷吐夢監督は選手たちを称えた。5ゴールという結果が際立つが、指揮官が手応えを示していたのはむしろ守備面。ここまで12試合で22失点、1試合平均1.83失点という数字が苦戦の一因でもあったが、この日は最後までゴールを割らせることはなかった。

 流郷監督は「前節はボールを失った後の切り替えが遅くて相手にやられた部分があった。その対策を重点的にやったことが試合で反映されたと思う」と振り返る。青山学院大はセカンドボールへの反応や球際での競り合いで強度を保ち続け、サイドを広く使った攻撃で得点を重ねた。17分にFW伊藤光輝のゴールで先制し、31分にはMF小泉佳穂が鋭いドリブルからシュートを決めて2点目。そして前半アディショナルタイムには、伊藤が相手GKとの1対1を冷静に制してスコアを3-0とした。

 3点リードで迎えた後半立ち上がり、当然ながら前がかりになって反撃を期してきた相手に対し、受け身にならずにアグレッシブな守備を展開。最終ラインの位置取りやマークのスライドなど、基本的なプレーをしっかりと確認、遂行し続けた。試合は次第に激しいボディコンタクトの応酬となり、65分には朝鮮大学校FW韓勇太が乱暴行為で一発退場となるなど、やや荒れた展開に。それでも青山学院大の選手たちは「落ち着け!切らすな!」と声を掛け合い、数的優位に立った中でも攻撃の手を緩めることなく終盤に2点を追加。85分にダイビングヘッドを決めたFW伊藤はハットトリックの大活躍だった。

 今節の先発メンバー11名中、4名が1年生だった青山学院大。「1年生だから使ったというわけではなく、トレーニングでのアピールやパフォーマンスを判断した結果」という指揮官の選手起用は、チーム内の競争意識を確実に高めているはずだ。次節は18日、東京国際大学第一サッカー場の第二試合で東京国際大学と対戦。首位を快走する強敵との対峙は、今後へ向けた試金石となりそうだ。

取材・文=内藤悠史

【スコア】
朝鮮大学校 0-5 青山学院大学

【得点者】
0-1 17分 伊藤光輝(青山学院大学)
0-2 31分 小泉佳穂(青山学院大学)
0-3 45+1分 伊藤光輝(青山学院大学)
0-4 85分 伊藤光輝(青山学院大学)
0-5 90+3分 窪園大地(青山学院大学)

By 内藤悠史

元サッカーキング編集部。育成年代や女子、国内サッカー、海外サッカーなど幅広く執筆。退職後はJリーグのクラブ広報に。

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