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木戸皓貴が3戦連発弾…明治大が日体大に完勝し、6年ぶり前期リーグ首位ターン

2016.06.12

3戦連続ゴールを挙げた木戸(右) [写真]=渡邊弘基(明大スポーツ)

文=古賀章太郎(明大スポーツ)

 JR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦前期リーグ最終戦を完封勝利で締めくくった。4分、木戸皓貴のゴールで先制すると、その1分後に丹羽詩温が追加点。13分には岩武克弥が公式戦初ゴールを奪い3点をリードした。その後は危なげない守備で相手の得点を許さず、前半を終える。後半に入ってからは、54分に土居柊太のダメ押しゴールでさらにリードを広げる。日本体育大学の反撃に遭うものの、前線からの連動したプレスと体を張った粘り強い守備で失点を0に抑えた。6年ぶりに前期リーグ戦を首位で終えた。

 3戦連続で木戸が見せた。試合開始早々の4分に、右サイドの高い位置でボールを受けた道渕がゴール前にきれいな放物線を描いたクロスをあげると「いい準備ができていた」というフリーの木戸がヘディングで合わせゴールネットを揺らした。圧巻のゴールで相手GKは一歩も動けず。エースが作った流れに乗り、その後10分以内に一挙2点を奪い取り、序盤で日体大を突き放した。勝利につながる先制点を挙げた木戸は国士舘大学戦、早稲田大学戦に続く3戦連続のゴールだが「もっと課題はあると思うしそこを直していけばもっともっと成長できる」(木戸)と満足しない。エースはディフェンス面でもチームに貢献。54分、木戸の前線からの献身的なプレスが起点となり、相手陣内でのボール奪取に成功すると、土居の昨年度第5節中央大学戦以来、約1年1カ月ぶりとなる待望のゴールを導いた。岩武が速いクロスを混戦したゴール前に上げると、こぼれたボールを土居がゴール左上に蹴り込んだ。

 素早い速攻だった。岩武が公式戦初ゴールを挙げた。13分、左サイドでボールを奪った明治大は柴戸海のロングパスで一気に前線へ。サイドを駆け上がってきてボールを受けた岩武がディフェンダーを一人かわし、ゴールに突き刺した。「結果が欲しかったので結果が出てよかった」と岩武。昨年まで室屋成(現FC東京)のポジションだった右サイドバックに抜てきされ「成君じゃなきゃダメって言われないようにしてきました」(岩武)と現Jリーガーの後釜としてプレッシャーを感じる中で、自信につながる初ゴールとなった。

 失点を「0」に抑えた。2試合連続、今季3回目となる完封勝利で前期最終戦を終えた。「前線からプレスにいって得点を奪うという練習してきたことができたので、すごくいいゲームでした」(服部一輝)。意思統一された前線への守備がはまり高い位置でボールを奪うことに成功すると、試合開始から13分で一挙3得点を挙げ、いい守備からいい攻撃へとつなげた。また、27分の相手の決定的なシーンは、鳥海晃司がゴールライン際でクリアし得点を許さない。その後も危険なシーンが続くも体を張って守り切って前半を終える。後半に入ると、54分に4点目となる追加点を決めるが明治大のシュート数は1本、日体大は5本と相手にシュート数を上回られ、日体大ペースに持ち込まれる。57分には河面旺成のゴール前での決死のスライディングで決定機を防ぎ、小出悠太は相手FWへの縦パスをインターセプトして自陣に入れさせない攻め気な守備で日体大の攻撃の芽を摘んだ。主将である服部も終始声を出し、後半だけで4つのナイスセービングをしてチームを鼓舞。ディフェンダー陣の活躍がチームを完封勝利に導いた。

 スタートダッシュに成功した。昨年までは、前期に調子が上がらず、後期になってやっと巻き返すもあと一歩のところで優勝を逃す「後期の明治」であったが、今年の明治は6年ぶりの首位ターンと一味違う。しかも6年前に首位ターンをしたときは、リーグ優勝を遂げている。「選手たちも首位という立場に慣れていないので、ここで気を緩めずにやっていかないと足元をすくわれてしまうのでここからサッカーの質をさらに高めていきたい」と栗田大輔監督。「通年の明治」となるべく、勝ってかぶとの緒を締める。

 余韻に浸っている暇はない。次の大会はアミノバイタルカップだ。昨年、明治大は無失点優勝を遂げているが、2年前は延長戦の末2回戦敗退と何が起こるか分からないトーナメント戦。「初戦から今までやってきた前線からの守備と良いブロックを作ってやるサッカーを徹底したい」(服部)と気を引き締めて臨む。上位8校に入れば、夏のインカレと呼ばれる総理大臣杯の出場権が与えられる。昨年の総理大臣杯では決勝まで勝ち進むものの、関西学院大学に敗れて創部初の優勝を逃す結果となってしまった。今年こそ、優勝するという目標を果たすためには、まずアミノバイタルカップで結果を残さないといけない。前期リーグで手に入れた完封勝利の勢いを一発勝負のトーナメント戦に生かしていきたい。

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