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後輩から先輩へ…倉本と仙頭の“京都橘ホットライン”が東洋大の新たな攻撃の武器に

2016.06.07

関東学院大戦で先制点のきっかけを生み出した倉本(左)と仙頭(右) [写真]=平柳麻衣

 京都橘高校出身コンビが先制点を演出した。4日に行われたJR東日本カップ2016第90回関東大学サッカーリーグ戦前期リーグ第10節で、東洋大学は関東学院大学に2-0で勝利。先制点は、2年生DF倉本光太郎と4年生FW仙頭啓矢のコンビが生み出した。

 25分、右サイドでボールを受けた倉本は、相手選手をかわすと「啓矢君が見えたので、マイナスのボールを流しこんだ。啓矢君は僕の特徴を分かってくれていたと思う」とピンポイントクロスをペナルティーエリア内の仙頭へ。ボールを受けた仙頭は相手選手に倒されてPKを獲得し、これを仙頭自身がしっかりと決めて先制した。

 京都橘時代から先輩、後輩関係の仙頭と倉本。前節の青山学院大学戦でリーグ戦デビューを果たしたばかりの倉本に対し、仙頭は「僕の動きを理解してくれていてすごくやりやすいし、後ろから声を出してくれるので、一緒にピッチに立つだけでポジティブな気持ちにさせてくれる選手。後輩だけどとても頼りがいがあるし、一緒に出られることはすごくうれしい」と絶大な信頼を寄せている。

 倉本は先制ゴールの場面以外にも、積極的な攻め上がりや、仙頭との息の合ったプレーで右サイドを躍動し、チャンスを演出。古川毅監督は「パフォーマンスは非常に評価されるものだった」と称えた。

「光太郎のアシストで僕がゴールを決めるのが理想。良いボールが来たらしっかりと決められるようにしたい」と、仙頭は二人そろっての活躍を思い描いている。

 一方の倉本自身は、まだ手応えをつかめていないのか、「自分はけが人の穴埋めなので、次は出られないと思う。アシストの場面も、どうやってあんなふうに相手をかわせたのか分からない。2試合とも足がつって交代枠を使ってしまったので、もったいないことをした」と少し弱気な言葉をこぼした。だが、謙虚な姿勢は目指すレベルが高いからこそ。「まだまだ、これから」と先を見据える眼差しには、確かに強い向上心が感じられる。

「この1週間でできる限りのことを100パーセントやって、1日1日を大切に頑張っていきたい。それでもし今日の勢いのまま次も出番をもらえたら、今日以上のプレーをしてチームに貢献したい」(倉本)

 再び同じピッチに立った仙頭と倉本。かつて高校サッカー界を沸かせた二人が大学サッカーの舞台で躍動し、“京都橘ホットライン”から数々のゴールシーンが生まれることを期待したい。

文=平柳麻衣

By 平柳麻衣

静岡を拠点に活動するフリーライター。清水エスパルスを中心に、高校・大学サッカーまで幅広く取材。

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