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ユース教授のインターハイ1回戦全試合プレビュー vol.2

2015.08.02

3年連続18回目の出場となった中京大中京

文・写真=安藤隆人

 夏の風物詩、インターハイが迫ってきた。1回戦は8月3日に23試合を実施。開幕を控え、“ユース教授” 安藤隆人氏が初戦全試合の見どころを紹介する。

■山口県鴻城 vs 札幌大谷
北海道きってのタレント集団と言われていた札幌大谷。今年のチームは上手さの他に高さを兼ね揃えている。182センチのボランチ・宮北悠平、佐藤隼と小川拓斗のCBコンビは181センチ。彼らが制空権を握ると、MF西野尾基陽、FW荒木拓也らドリブルを得意とするアタッカー陣が、地上戦を仕掛ける。初出場の山口県鴻城はこの陸空のアタックに対応しないといけない。GK川島陸哉、CB南郁亜は高さこそ無いが、状況判断力に優れ、彼らが中心となって、山口県を制したように、高い集中力で相手の個性を封じ込めるか。ここが勝負のポイントだ。

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■立正大淞南 vs 東北
言わずと知れた攻撃サッカーの立正大淞南。矢継ぎ早に飛び出してくるアタッカー陣に対し、東北が受け身に回らずに、ボールを奪ってから素早くカウンターを仕掛けられるか。ここが勝負のポイントとなる。東北は安定感抜群の守護神・鈴木悠真、182センチのCB森慎之介、五十嵐健太郎と高橋勇利也のダブルボランチが、鋭い出足と積極的なビルドアップをすることが出来るか。立正大淞南はやはり「攻撃で押し切る」姿勢を貫いてくるだろう。MF上村大悟、FW井上直輝らの破壊力で相手を凌駕出来るか。彼らは勢いに乗る勝ち方を狙っている。

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■草津東 vs 盛岡商
今大会注目選手の一人・山本悠樹の出来が鍵を握る。トップ下に君臨する彼は、多彩なアイデアで試合をコントロール出来る。これにFW高橋晃平、MF鎌田麓、北川卓らアタッカー陣が呼応し、多彩な攻撃を繰り出す。盛岡商はDFライン全員2年生と若いが、レフティーの腹子直哉、184センチの泉山凌馬と個人能力の高い選手がおり、彼らの粘りが相手の攻撃力を封じることが出来るか。多彩な「矛」と、若き「盾」のぶつかり合いに注目だ。

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■福井商 vs 三田学園
初出場vs初出場となったこの試合。どちらとも勝てば歴史を塗り替える重要な一戦となった。福井商の武器は、ハードワークと運動量。準決勝では延長、決勝では再延長を戦い抜いて、丸岡と北陸という格上のチームを相手に勝利をつかみ取った。粘り強さに加え、ワントップの渡邉律己、橋本拓馬と牧田鉄平のツーシャドーが繰り出すカウンターが武器。対する三田学園は吉岡晟弥と坂井優太のツートップの破壊力が武器。福井商の粘りを振り切り、このツートップが決定的な仕事ができるか。地元開催というメリットも生かしたいところだ。

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■佐賀学園 vs 米子北
佐賀学園はエース三宮捷の出来がすべての鍵を握る。だが、相手はハイレベルな堅守速攻を繰り出す米子北。185センチのGK坪倉龍太、180センチの嶋田遼允と182センチの鶴ヶ久保哲太のCBコンビが構築する高い城壁を有する。そして、MF山室昂輝、FW谷口喬亮のアタッカー陣はドリブルとスピードに長け、精度の高いフィードから高速カウンターを繰り出す。この「必勝の形」をモロに受けてしまうと、勝機を見いだせなくなるだけに、佐賀学園はエースが封じ込まれないように、MF藤原綾人ら周りがしっかりとサポート出来るかがポイントだ。

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■西武台 vs 中京大中京
この両チームには因縁がある。春先の大垣市長杯でぶつかり合うと、5-0で中京大中京が大勝。「あの負けで、選手達は『自分たちはもっと戦わないと全国では勝てない』と痛感してくれた」と守屋保監督が語ったように、西武台にとって、この大敗からチームはグッとまとまりを見せた。橋本陸、川田航平、新行内一輝のスリートップが繰り出す攻撃は破壊力抜群。このスリートップを、頭脳派CB重松勇樹を軸とした中京大中京の守備陣がどう迎え撃つか。ボールを奪ってからポゼッションサッカーで崩しにくるだけに、西武台は攻守の切り替えを徹底しないと、二の舞を踏むことになるだろう。あの大敗のリベンジを誓う西武台と、再現を狙う中京大中京。意地がぶつかり合う。

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