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「打てば入る」平野佑一の豪快ミドルで国士舘大が2連勝/関東大学リーグ

2015.04.22

決勝ゴールを挙げた国士舘大MF平野佑一 [写真]=平柳麻衣

文=平柳麻衣

 JR東日本カップ2015第89回関東大学サッカーリーグ戦1部リーグ第4節が、18日に各地で開催。フクダ電子アリーナで行われた第1試合では、国士舘大学と法政大学が対戦した。

 ともに1勝2敗で迎えた8位と9位の直接対決は、2-1で国士舘大に軍配。しかし、細田三二監督が「勝てる時というのは、運が味方するもの」と試合を振り返ったように、国士舘大にとっては手放しで喜べる内容ではなかった。

 開始4分、左サイドからのクロスをフリーで走りこんだ法政大MF青島拓馬(2年・浜松開誠館高校出身)に頭で合わせられ失点。今季1部に昇格した勢いそのままに体当たりで臨む法政大に、出鼻を挫かれた格好となった。

 しかし、この“早すぎる失点”が吉と出る。細田監督が「(失点が)早すぎて選手はプレッシャーを感じなかったのでは」と話すように、リードを奪われても動揺の色はなかった。むしろ先制したことで「強気なプレーができなくなってしまった(DF田代雅也/4年・武南高校出身)」のは法政大。瞬時の判断スピードが相手選手より劣り、後手に回る場面が増えていく。すると26分、CKから最後はDF中村俊貴(4年・流通経済大学付属柏高校出身)が押し込み、国士舘大が同点に追いつく。

 決勝点が生まれたのは、後半立ち上がりの47分。ペナルティーエリアの外でボールを受けたMF平野佑一(2年・國學院久我山高校出身)が左足を振り抜く。「今日はすごく体が軽くて、(シュートを)打てば入るくらいの感覚でした」と、目の覚めるようなミドルシュートを突き刺した。

「正直、今年はエースと言われる選手がいない」と、チームは開幕から得点力不足に苦しんできた。加えて今節は、開幕から先発出場を続けてきたルーキーのFW大石竜平(1年・清水桜が丘高校出身)がけがのため欠場。平野も開幕前からコンディションが上がらず、「1、2節はもうサッカーをやりたくなくなった」ほど苦悩していたいう。

 それでも起用し続けてくれた指揮官の期待に、結果で応えてみせた。細田監督は平野に対し、「だんだん目立ったプレーをするようになってきた。あそこ(平野)が要なので。なかなかエンジンがかからなかったけど、ようやく本来のプレーを見せてくれた」と評価。待望のリーグ初ゴールは、値千金の決勝弾となった。

 リードを奪った後は、守備陣が奮闘し法政大の攻撃を完全にシャットアウト。終了間際にペナルティーエリア内でGK奥津亮哉(3年・日本航空高校出身)が相手選手を倒して、指揮官は「PKを取られるかと思った」と振り返ったが、主審の笛は鳴らず。運も味方につけ、2-1で2連勝を飾った。

 この勝利で国士舘大は4戦を終えて2勝2敗となった。星を五分に戻し、細田監督は「これからは勝ち星を積み重ねていかなければ」と、改めて明治大や慶應義塾大といった上位チームへ追撃宣言。今季は、毎節最少失点に抑えるなど守備陣の健闘が光っているだけに、攻撃陣が調子を上げていけば、巻き返しは十分可能なはずだ。

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