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【インハイ・ピックアップ選手】U-19日本代表MFを抑え決勝弾演出、大津の主将MF葛谷将平

2014.08.07

前橋育英MF鈴木(右)と白熱のマッチアップを繰り広げたMF葛谷将平 [写真]=川端暁彦

「彼のキャリアの中でも重要なゲームになったのではないか」

 準決勝終了後、大津高校・平岡和徳監督は主将・葛谷将平のプレーをそんな言葉で形容した。この試合で葛谷がマッチアップしたのは前橋育英高校のボランチ、鈴木徳真。昨年のU-17W杯に出場し、現在はU-19日本代表にも名を連ねる高校サッカー界でナンバー1と目されるMFだ。

「相手の14番(鈴木)をつぶしてやろう。そこに対しては意識してやろうと思っていた」

 自然と高まったモチベーションは立ち上がりから確かな集中力を生み出し、守備では相手に対応して走り、攻撃では相手を振り切るためにまた走ったことで運動量も増加。そのせいで「珍しく」(平岡監督)最後は足がつってしまったが、それでも「今までで一番良いプレーができた」と語るパフォーマンスを攻守両面で生み出すこととなった。

 大会中に負った右足甲の打撲は癒えておらず、まだ痛みが残る状態だというが、プレー中はそれも忘れているほどの集中力だったのだろう。左足から繰り出すミドルシュートは的確に枠を捉え、45分にはMF坂元大希の動き出しに合わせて見事なパスを通してアシストも記録した。「あれがウチのホットライン」と平岡監督も胸を張るコンビプレーで、大津を初の決勝へと導いてみせた。

「今大会は勝っても喜ばない」と決めている葛谷は、準決勝終了後も喜びの表現は至って控え目だった。それもすべて、決勝で勝つための配慮である。そのファイナルで迎える相手は東福岡高校。九州高校サッカー大会決勝で激突し、敗れた相手だ。勝利のカギは「上手くやることじゃない。みんなで一つになって全力でやることが大事になる」(葛谷)。

 インターハイも残すところ、あと1試合。大津の主将が願うことは一つだけ。今まで控え目にしていた分だけ、勝って最高の喜びを表現することだ。

(文=川端暁彦)

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