2014.08.06

7ゴール奪取で京都精華女子に大勝…日ノ本学園がインハイ3連覇達成

インターハイ2014
大会3連覇を達成した日ノ本学園 [写真]=大島和人

 平成26年度全国高等学校総合体育大会サッカー(女子)の決勝が6日に行われ、日ノ本学園(近畿1)と京都精華女子(近畿2)が対戦した。

「点を取れるような気配がなかった」と、日ノ本学園の田邊友恵監督は真夏の4連戦を振り返る。日ノ本が準決勝までの3試合で挙げた合計得点は「3」。特に準々決勝の相手はU-17W杯のMVP・杉田妃和を擁し、昨冬の全国大会で決勝戦を戦った藤枝順心だった。しかしこれを1-0で際どく退けると、準決勝では岡山県作陽とのPK戦を辛うじて制した。

 京都精華女子はスキルフルなサッカーで旋風を起こしているチーム。日ノ本は関西大会で精華を3-0と下しているが、相手の技巧を認めていた。田邊監督は選手に「精華の10番(園田瑞貴)、9番(谷口木乃実)、7番(金塚咲恵)からは取れなくても仕方ない。他の選手のところで頑張って奪おう」という指示を与えていたという。

 この試合の前半も30分過ぎまでは音なしだった。前半の堅い流れを変えたのは、1年生FW・目原莉奈の前線守備。大分トリニータレディース出身で、エース・八坂芽依を追って兵庫の強豪に入学した155cmの1トップだ。33分、日ノ本は目原が高い位置で相手のパス回しをカットしてラストパスを送り、池尻茉由がフリーで流し込んだ。

 精華にとっては、ある程度狙い通りの前半だった。越智健一郎監督も「奪ったボールを持ち続けることで、相手がリズムに乗り切れなかった」と失点までの展開を振り返る。しかし「1点目の取られ方が自分たちのミスだったので、(選手たちが)かなりへこみました」(越智監督)。ハーフタイムの雰囲気は最悪で「泣いている選手がいた」(越智監督)。

 今大会は攻撃が噛みあってなかった日ノ本だが、後半は重しが取れたようにアグレッシブな攻めを見せた。37分には目原の左クロスからDF稲田佳奈が2点目を挙げると、その後は41分、42分、47分と得点を重ねる。終了間際にも1点を加えた日ノ本学園が7-0で京都精華女子を下し、大会3連覇を達成した。

 試合を終えた田邊監督が口にするのは「それぞれがバラバラな判断をしてしまっていた」という大会を通しての反省。入江未希主将を中心に連動したフリーランニング、パスワークを見せ、夏冬の全国大会を制覇した昨年に比べて、確かにまだ攻撃面の物足りなさはある。今日の日ノ本は「裏への動きがストロングで、使われるときに力を発揮する」(田邊監督)という八坂を、サイドでなくトップ下に起用していた。八坂は足裏、アウトを巧みに使ったプレーでボールを収めていたが、その先の迫力を前半は出せなかった。

 一方で今年の日ノ本には「去年のプレーは出来ないけれど、スピードがある」(八坂)という強みもある。「八坂だったり、(池尻)茉由だったり速い選手をどう使いこなすか」という田邊監督が口にする課題は、冬に向けたいいチャレンジにもなるだろう。

 U-17代表の世界制覇を見ても分かるように、日本の高校生年代は世界に誇るタレント王国だ。日ノ本の他にも藤枝順心、常盤木といった未来のなでしこ候補を擁する才能集団がある。そんな中で日ノ本の突出した結果を支えているのは「上下関係が厳しくない分、サッカーがしやすい。学年関係なく言い合える」(目原莉奈)という雰囲気。ほぼ全員が寮で生活する中で自然と意思疎通が図られる。5月に負傷した万屋美穂からキャプテンを引き継いだ竹村美咲は「学校でも授業の合間とかにサッカーの話をしたりしている」と、選手同士の近い距離感を口にする。応援団も含めた活気、一体感は間違いなく日ノ本の強みだろう。

 田邊監督は「選手の意見が来るのを待っているんですけど…。今年はふんわりして、のんびり屋」とぼやくが、選手同士が意見を出し合い、議論し、実行するのが日ノ本スタイルだ。

 精華の準優勝は、スカウティングもビデオ撮影もしない、ミーティングもない――、そんな“超自主性尊重型”のチームが見せた快進撃だった。選手起用については「ポジションは一応(監督が)決めますけれど、交代はじゃんけんで決めます。今日も勝った奴が出た」という型破りだった。

 越智監督は「今持っているものでどれだけできるかやったら、こうなりました。あれだけやられたら清々しい」と試合を振り返る。しかし冬に向けた課題も得た。それは「負けていていてもケロッとしている強さがあったけれど、今日は初めて弱さを見せた」(越智監督)こと。秋の関西大会、冬の全国大会に向けて「僕が言ったって分からない。でも次つまずきそうになったときは、今日の前半の失点とハーフタイムを思い返すと思う」(越智監督)という経験値を得た。

 暑熱の4連戦を終えた日ノ本の選手たちは疲労困憊…と思いきや、そわそわとウキウキが混ざったようなハイテンションだった。10時キックオフの決勝戦、表彰式が終わった彼女たちがその足で向かったのは東京ディズニーランド。未来のなでしこたちはどれだけタフなのだろう――。彼女たちは試合前より元気な様子で、浦安方面に向かっていた。

(取材・文=大島和人)

【スコア】
日ノ本学園(近畿1) 7-0 京都精華女子(近畿2)

【得点者】
1-0 33分 池尻茉由
2-0 37分 稲田佳奈
3-0 41分 目原莉奈
4-0 42分 藤尾きらら
5-0 44分 池尻茉由
6-0 47分 吉田凪沙
7-0 70分 大竹麻友

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