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【インハイ・ピックアップ選手】エースの自覚胸に3戦連発の東福岡MF中島賢星

2014.08.05

東福岡の主将、中島賢星 [写真]=松尾祐希

 東福岡の3回戦の相手は地元開催の山梨学院大附属。昨年は福岡開催ということで、自分たちがその立場にいた。しかし、結果は初戦となった2回戦での敗退。当時、2年生エースだった中島賢星は、そこで味わった悔しさを今でもはっきりと覚えている。

「去年は地元開催で、シードになりながら初戦で負けて悔しい思いをした。今年は同じ思いを味わいたくない」と、昨年の悔しさを晴らすべく挑んだ今大会。ここまでチームは2試合で合計14得点を奪い好調を維持しており、中島自身も東福岡の攻撃を牽引しながら、2試合連発とエースの重責を果たす活躍を見せている。しかし、山梨学院大附属戦ではこれまでとは打って変わり、粘り強い相手守備陣に対して、決定力を欠いた。

「立ち上がりから決められるシーンはあったけど、あそこで決め切れなかったことは一番痛かった」と中島が語るように、前半から決定機を迎えても、ことごとく枠を捉えられない。それでも、彼は後半立ち上がりの38分にFW木藤舜介の落としたボールを、胸トラップから豪快に右足を振り抜いて、貴重な先制弾を叩き込んだ。結果として、これが決勝点となり、東福岡はベスト8にコマを進めた。

「自分が決めてチームを勝たせたいという思いが強かった」

 まさしくエースの自覚を示した一撃。そこに関して、森重潤也監督も「技術的なものは持っているので、後はそれをどこで発揮するか。ゴールやトップに近い位置でプレーをしたら彼の良さは出てくる。そのような意味では、今日は決定的な仕事をしたと思います」と評価を与える。その一方で、「アイツはあんまり走らないから、そこはもっと改善しないといけない」と注文を付ける事も忘れない。

 課題はあれど、エースとしての仕事をきっちりと果たし、3試合連続得点。これで全国の頂点まであと3つというところまで登ってきた。だが、今日の試合で警告を受けてしまい、次戦は出場停止。ベスト4を懸けた戦いには出場が出来ない。

「そこはもう割り切って、準決勝でもう一回戦えるように、しっかりとチームをサポートしたい」

『赤い彗星』の10番、主将、エースという3つの責任を背負う男は、チームを信じて、準決勝に備えようとしている。

文=松尾祐希

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