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世代きってのタレント渡邊凌磨、延長戦で前橋育英をインハイに導く決勝ゴール

延長線でゴールを決めた10番・渡邊凌磨【写真】=安藤隆人

『上州のタイガーブラック集団』に焦りの色は全くなかった。

 インターハイ群馬県予選決勝・前橋育英VS常盤。ブラジルW杯で快進撃を重ねるコスタリカのように、ベースは3バックだが、5バック気味に守備を固めてきた常盤に対し、前橋育英はほぼワンサイドゲームで圧倒的に押し込むが、なかなか常盤ゴールをこじ開けることが出来なかった。

 要因は常盤の集中力の高い粘り強い守備と、GK和田進馬の神懸ったファインセーブの嵐。ゴールに嫌われているのかと思いたくなるほど、前橋育英が前後半合わせて放った18本のシュートは、ゴールラインを越えなかった。

 しかし、0-0のまま延長戦に入っても、選手たちの表情は明るかったのが印象的だった。シュートを外しても、下を向くことなく、「次だ!次!!」と声を掛けあう選手たち。前橋育英のナンバー10を背負う、FW渡邊凌磨の表情も曇っていなかった。

 渡邊は昨年、U-17W杯(UAE)に出場し、主に左のワイドトップで3得点を挙げる活躍を見せるなど、この世代きっての注目選手。ゆえに渡邊には2重3重のマークを敷かれることが多い。この日も相手のマークに苦しみながらも、左サイドハーフの位置から何度もゴールを狙った。

「今日はこういう戦いになるのは分かっていた。前後半だけで決めるのではなく、延長戦もあることも考えて、それまでに決めればいいと思った。気持ちで負けないこと。チーム全体で勝ちきることだけ考えていたので、焦りはなかった」

 シュートが入らないことを悔やむのは試合後でいい。まずは必ず延長を含めた100分間(40分ハーフ&延長10分ハーフ)で1本でもしっかりと決めて、勝ちきること。だからこそ、渡邊を始め、前橋育英イレブンは冷静だった。

 そして、延長前半7分、この冷静さは結実する。中央でボールを受けたMF鈴木徳真が、右サイドをオーバーラップしてきたDF下山峻登に展開。下山は冷静に中を見ると、GKとDFの間のニアサイドに猛然と走り込む、渡邊の姿を捉えた。

「ずっと練習をやってきた形。あそこしかないと思った」と渡邊は、下山から届いたクロスをダイビングヘッド気味に合わせ、ゴールに突き刺した。これが決勝点となり、前橋育英が2年連続14回目のインターハイ出場を決めた。

「もっと練習が必要。全国で勝つためには、エースストライカーとして自分が点を取らないといけない。目標はプロしか考えていないので、もっと自分に厳しく、課題に意欲的に取り組みながら、もっとレベルアップをしたい」

 見せたエースストライカーの意地と自覚。渡邊凌磨という世代きってのタレントは、目標のプロに向け、その確固たる決意を力強く語った。精悍な表情と共に―。

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