2014.06.04

駒場の山下正人監督、都立校初の関東大会優勝も「あくまで通り道」

試合中は険しい表情を崩さなかった山下監督だが、試合後はご覧の笑顔【写真】=川端暁彦

 5月31日から6月2日にかけて開催された関東高校サッカー大会は、“とりこま”の愛称で知られる都立駒場高校の優勝で幕を閉じた。決勝のスコアは3-0。鮮烈な快勝だった。

 関東大会は3日間で3試合をこなすハードな大会である。かつては16チームのトーナメント戦で「3日で4試合」をこなす大会だったことを思えばソフトになったとも言えるが、今年は真夏のような猛暑が加わり、相応の“タフネス”を強く求められる場となった。

 そんな大会について「暑さが良かったんじゃないの」。そうサラリと言ってのけたのは、駒場の山下正人監督だ。「不思議な勝ちだけれどね」と笑いつつも、酷暑の中で気持ちの勝負となればそうそう後れは取らないという自負をのぞかせた。

 実際、駒場は強かったというより、「3日目=3試合目になっても落ちなかった」と言うべきなのかもしれない。立ち上がりこそ佐野日大もFW岩木艦の推進力やMF青柳淳耶の飛び出しなどを生かして好機を作ったが、16分にCKの混戦からMF高橋康太に押し込まれる形で先制点を許すと、ゲームの主導権を失った。駒場はボランチの篠原力が巧みにパスを散らすだけでなく、守備でも機能。GK芹澤遼太の勇敢なプレーにも助けられつつ、試合を進めていく。34分にはFW吉澤泰成が左足で豪快に2点目を奪い、後半に入った49分にも吉澤が追加点を叩き込んで、3-0。暑さの中でも守備の規律が乱れない駒場を前に、佐野日大は最後まで攻撃の糸口をつかみ切れず。このままゲームセットとなり、駒場が都立高校として初めて大会を制することとなった。

 ただ、歓喜に沸いたのも束の間のこと。試合後のイレブンの口からそろって出てきた言葉は、「この大会が目標じゃないですから」というもの。「これで調子に乗ってしまう保護者の方もいるかもしれないし、控えのヤツらも浮かれていた。でも、あいつらは違うんじゃないかな」という山下監督の弁を裏付けるような反応だった。目指しているのはあくまで夏の高校総体、冬の高校サッカー選手権と、激戦区の東京都を抜け出して、全国で何事かを為し遂げること。都立校初の快挙だろうと何だろうと、関東大会制覇は「あくまで通り道なんですよ」(山下監督)。

「浮かれ過ぎちゃいけないし、これで終わりじゃない」。戒めるように語る指揮官からは、逆に「夏」や「冬」に向けての本気度の高さが感じられた。都の勝負師に率いられた“とりこま”は、今季の高校サッカーシーンにおける台風の目となるかもしれない。

文=川端暁彦

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