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インハイ決めた名門・盛商の背番号10根子裕将「盛商の10番は重い」

インターハイ出場を決めた盛岡商【写真】=安藤隆人

 選手権一度の優勝を誇る名門・盛岡商が、圧倒的な力を見せつけた。

 盛岡商VS遠野の『岩手クラシコ』となった、インターハイ岩手県予選決勝。昨年はインターハイ予選準々決勝と選手権予選決勝で顔を合わせ、いずれも遠野が勝利を挙げていた。

「同じ相手に何度も負けられない。意地もある」

 こう語る盛岡商・太田浩史監督以上に、選手たちは気迫に満ちていた。というのも、昨年のチームは3年生レギュラーが3人で、後はすべて1,2年生のチームだった。ゆえに悔しさをピッチで味わったメンバーがほぼ残っている。

「今年こそは全国の舞台で戦わないといけない」。

 2年生の時からナンバー10を背負う、根子裕将はこう決意を語るように、盛岡商イレブンはライバルとの決勝で、立ち上がりから容赦なく攻め立てた。

 5分、右FKを獲得すると、DF澤口貴浩が蹴ったボールは壁に当たるが、こぼれを拾ったMF吉田廉がそのままゴールに蹴り込んで、盛岡商が先生に成功する。17分には左サイドバックの1年生・腹子直哉のサイドチェンジを、右で受けたMF工藤大輝が、左サイドに出来たスペースに再びサイドチェンジ。これに抜け出したMF千葉秀平が鮮やかに決めて、2-0。その後も根子と吉田を軸に、遠野を圧倒すると、58分、ゴール前の混戦から抜け出した根子が、相手の反撃の機運を奪う3点目を挙げる。66分にはやや右の位置からのFKを、3人がフェイクを掛け、3人目の腹子がヒールでずらしたボールを、根子が右足インフロントで左サイドネットに落とし込む鮮やかなシュートを決め、勝負あり。ライバルを終始圧倒した盛岡商が、4-0でインターハイの出場権を掴んだ。

「昨年から2人の3年生CBが抜けてから、苦しい戦いが続いた。守備は3年生に頼っていた分、今年は攻撃の選手も含めて全員で守備をしないと勝てない。昨年以上に運動量を増やしていかないといけない」と、根子が語るように、今年のチームは圧倒的な攻撃力があるが、守備が脆く、プリンスリーグ東北では失点が増え、苦戦を強いられた。

 しかし、「プリンスの経験が攻撃陣に守備の意識を高くさせた。1年生も成長してきたし、守備をきちんとするということが浸透してきた」と太田監督が語ったように、選手たちは守備意識を高め、結果インターハイ予選5試合を1失点で制してみせた。

 昨年の悔しい思いと、春のつまずきを経て、逞しく成長した盛岡商イレブン。中でも吉田と共に攻撃のタクトを振るい、2点を奪うだけでなく、守備も献身的にこなした根子の成長は、チームに大きな変化の象徴だった。

 この試合には、ベガルタ仙台に所属するOBのMF藤村慶太が観戦に訪れた。藤村が背負い、一昨年は谷村憲一(山形)が背負ったナンバー10を背負う根子は、「盛商の10番は本当に重い。藤村さんはこの間の(ナビスコカップ)神戸戦で凄いミドルシュートを決めた。僕も藤村さんのように、どこからでも狙える選手になりたい」と、さらなる成長への意欲を見せた。

「インターハイに向け、カウンターだけじゃなく、もっと確実に前につないで、バリエーションある攻撃が出来るようにしたい」(太田浩史監督)

 太田監督の下、進化を遂げた盛岡商。夏のインターハイ山梨に臨むべく、東北の名門が掴んだ自信を胸に、力強い一歩を踏み出した。

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