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ブラジルW杯の直前合宿に選ばれる高校生は誰か? 鈴木徳真と杉森考起が候補筆頭か

2014.04.25

安藤氏が候補筆頭にあげる鈴木徳馬【写真】=安藤隆人

 本連載の著者である安藤隆人氏は、元銀行員という異色の経歴を持つサッカージャーナリスト。今では、高校サッカーを中心に日本列島、世界各国を放浪し精力的な取材を行っている。巷ではユース教授と呼ばれる。本連載では安藤氏の“アンダー世代”のコラムをお届けする。

文=安藤隆人

 日本サッカー協会の発表により、6月のブラジルW杯の直前合宿(国内、アメリカ)に高校生2選手が、トレーニングパートナーとして帯同することが決まった。対象となるのは、2020年の東京五輪世代の高校生。つまり1997年1月1日生まれ以降の選手となる。

 この狙いは合宿中の紅白戦などにコーチが入るより効率的であるのと、東京五輪の男子サッカーチームの強化にもつながると言う側面がある。ゆえにこの2人と言うのは、『東京五輪の主軸候補の2人』ということになる。

 候補の筆頭となりそうなのが鈴木徳真杉森考起だ。

 鈴木は前橋育英のエースナンバー14を1年の頃から背負い、広い視野と正確なボールコントロール、ズバッと相手の急所を突くパスが魅力のMF。1997年3月12日の早生まれという魅力もある。昨年のU-17W杯では、本来のアンカーのポジションだけでなく、CBを無難にこなすなど、冷静な判断力は大人顔負けで、プロの中に入っても十分に適応できるタレントだ。

 名古屋の杉森は高校2年生ながらクラブ史上最年少でプロ契約し、トップ昇格を果たした逸材。U-17W杯にチーム最年少として出場し、正確なファーストタッチからの突破力を見せつけた。今季はすでにナビスコカップでプロデビューを果たし、今後さらに研磨が期待されるタレントで、A代表と一緒にトレーニングすることで、さらなる成長が期待できる。

 もちろん候補に挙げられるのは彼らだけではない。邦本宜裕(浦和ユース)、坂井大将(大分ユース)、中山雄太(柏U-18)もポテンシャルが高い。

 邦本は昨年の天皇杯3回戦(山形戦)で、16歳とは思えない屈強なフィジカルと強烈かつ正確なキックを駆使し、ミドルシュートを叩き込むという、衝撃のプロデビューを飾った。今年に入り貫禄が増し、トレーニングメンバーに入れても面白い変化を見せてくれるかもしれない。

 早生まれの坂井は、もともとボランチやトップ下をこなす選手だが、U-17W杯ではサイドバックをそつなくこなすなど、高いユーティリティーを持つ選手。サイドハーフ、FWも出来、トレーニングパートナーという側面を考えると、適役にも思える。

 同じく早生まれの中山は左利きで、ボールコントロールとキックが魅力の選手。年代別代表ではCBをこなすが、攻撃的なポジションもこなせる。邦本同様にフィジカルに優れ、パワーも魅力の選手。十分にトレーニングパートナーとしてふさわしい。

 果たして誰がこの2つの枠に選ばれるのか。ここで名前を挙げた選手なのか、それとも違う選手が入って来るのか。W杯メンバー発表に注目が集まる傍ら、『もう一つのメンバー発表』も楽しみでならない。

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