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関東大学リーグで輝く早稲田の田中進之介「ベルマーレユースでも岡崎や遠藤の下の評価でずっと苦しい思いをした」

2014.04.09

田中進之介 【写真】=川端暁彦

 飛び始めるのが遅かったからと言って、高く飛べないとは限らない。4月5日、味の素フィールド西が丘で行われた関東大学リーグ開幕戦で思ったのは、そんな言葉だった。

 昨季リーグ2位の名門・早稲田大学が迎えたのは、初の1部昇格で士気も高い新鋭・東京国際大学。かつて水戸を率いた前田秀樹監督が磨き抜いたチームを前にして輝いたのは、早稲田の背番号3だった。183cmの大きな体を持つ田中進之介は、今季で最終学年を迎える選手。「(東京国際大)9番のFW福島遼選手個人の力は試合前から脅威だと感じていた」という言葉通り、相手のエース潰しを貫徹。交代に追い込むハイパフォーマンスで、2-0での開幕勝利に見事な貢献をしてみせた。

 田中は過去3年間で「リーグ戦で先発したのは3試合」(本人)という選手でもある。この日のプレーはそんな状態でも腐らずにやってきた成果の発露でもあったと言えるだろう。開幕スタメンを告げられたときのことを、「正直にうれしかった。自分が3年間積み上げてきたからこそ、監督や仲間からの信頼を得られて開幕スタメンになれた。仲間に感謝したい」と振り返る。

 田中は湘南ベルマーレU-18に在籍していた高校時代も、なかなか評価を得られない選手だった。というのも、同級には現・U-21日本代表の遠藤航、さらに現在は中央大学で活躍している岡崎亮平もいたからだ。当時のことを田中は「自分はベルマーレユースでも岡崎や遠藤の下の評価でずっと苦しい思いをしてきた」と振り返る。だが、そういった経験が今の自分にもつながっている」とも言う。たとえ評価されずとも腐らずに頑張り抜く。そのメンタリティーのベースは、この時期に培われたものでもあった。

「『自分だってできる』と思ってやって来た」という田中。ついに手にしたレギュラーポジションを、もう失うつもりはない。「自分はヘディングが強みだと思っていますし、全国で一番になれるように努力してきた。自分が絶対にこのチームを関東制覇、日本一に導くんだという熱い気持ちでやっていきたい」という言葉は、実に力強かった。

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