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高円宮杯U-18プレミアリーグが開幕! 王者・流経の相澤が2アシスト

2014.04.07

【写真】=安藤隆人

 本連載の著者である安藤隆人氏は、元銀行員という異色の経歴を持つサッカージャーナリスト。今では、高校サッカーを中心に日本列島、世界各国を放浪し精力的な取材を行っている。巷ではユース教授と呼ばれる。本連載では安藤氏の“アンダー世代”のコラムをお届けする。

文=安藤隆人

 いよいよ開幕した高円宮杯U-18サッカーリーグ2014プレミアリーグEAST。開幕戦の流通経済大柏対青森山田は昨年度覇者の流通経済大柏が3-2で勝利を収めた。

 この試合で存在感を放ったのが。今年のキャプテンであり、ナンバー10を背負うMF相澤祥太。MF青木亮太(名古屋)、小泉慶(新潟)といった昨年の主力メンバーが多く抜けたが、それでもチーム力が落ちないのが、流通経済大柏の王者たる所以。今年のチームはDF小川諒也、MF久保和己、FW高沢優也といった実力派がいる中で、ボランチで攻撃の要となるのが相澤だ。

 相澤の武器は広い視野と多彩なキックから繰り出されるラストパス。昨年の小泉ほどの守備力はないが、攻撃力に関しては相澤が上。トップ下で起用しても存在感を放てる技巧派だ。

 青森山田戦で、相澤のラストパスが2つの鮮やかなゴールを生み出した。1-0で迎えた65分、DF浜野駿吾のインターセプトから、ボールを受けた相澤は、鋭く反転して前線をルックアップすると、右アウトサイドで裏のスペースに抜け出した途中交代のFW儀保幸英に糸を引くようなスルーパス。DFに触れられないように、浮き球で通したパスは、全力疾走している儀保の足元にピタリと届き、儀保の鮮やかなダイレクトボレーのゴールを生み出した。

 さらに69分、再びペナルティーエリア内のスペースに飛び出した儀保へ、右アウトサイドからの浮き球のスルーパス。またしても足元にピタリと届き、GKをあざ笑うループシュートのゴールを生み出した。

 いずれも儀保のシュートセンスが光ったゴールだが、これを演出した相澤のパスには、多くのメッセージが詰められていた。

「左で行くと見せかけて、右で出した。あれで儀保がフリーになった。儀保はシュートがうまいので出せば決めると思っていた。GKが出ても大丈夫のように、バックスピンを掛けました」

 チームメイトの特徴を理解し、最大限に引き出すことを考えてのパス。この『優しいパス』のイメージは、対戦相手のOBである柴崎岳(鹿島)だった。

「パスは柴崎選手をイメージしました。青森山田が相手だったので余計に」

 2点目のゴールは、まさしくJ1第5節の横浜FM対鹿島の試合で、柴崎が見せた野沢拓也への浮き球のスルーパスのようだった。プロ選手から受けたイメージをすぐ実践する。高いサッカーセンスと技術があるからこそできる。

 幸先のいいスタートを切った今年の流通経済大柏の大黒柱・相澤祥太。これからも鮮やかなゴールを演出し続けることを期待したい。

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