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滝川第二時代から変わらぬ姿勢…ドイツで充実の時を過ごす岡崎慎司

2014.02.20

一心不乱にボールを追う岡崎慎司 [写真]=Bongarts/Getty Images

本連載の著者である安藤隆人氏は、元銀行員という異色の経歴を持つサッカージャーナリスト。今では、高校サッカーを中心に日本列島、世界各国を放浪し精力的な取材を行っている。巷ではユース教授と呼ばれる。本連載では安藤氏の“アンダー世代”のコラムをお届けする。

文=安藤隆人

 マインツVSハノーファー。この試合で誰よりもユニフォームを泥だらけにして、ピッチに立ち続ける男がいた。

 岡崎慎司。今シーズン、シュトゥットガルトからマインツにやってきた日本代表のストライカーは、代名詞となっている『泥臭いプレー』を、ここでも惜しげもなく披露している。

『一生ダイビングヘッド』。

 彼が座右の銘のようにこの言葉を言うように、彼はゴール前で体をなげうってでもゴールを目指し、前線からの果敢なチェイシングでチームを救う献身性が魅力の選手。それは高校時代から変わりはなかった。

 彼の母校は兵庫県にある、名門・滝川第二高校。現在はチャイニーズタイペイ協会でユース育成統括兼U-14代表監督を務める黒田和生監督が、滝川第二のモットーとして掲げた言葉が、『怯まず、驕らず、溌剌と』だ。岡崎はまさにそれを100パーセント体現している。

 滝川第二は今も当時も土のグラウンドで、彼はそこで何度もダイビングヘッドやスライディングをして、ひざやひじに擦り傷をしてもお構いなしだった。私が練習を見に行っても、いつも土ぼこりを上げながらプレーする彼の姿があった。彼は凄く土ぼこりが似合う人間で、白い練習着はいつも薄茶色になっていた。

 あれから10年あまり。全く当時と変わらない姿でピッチに立ち続ける岡崎の姿があった。

 変わらぬ自分を貫く強さがある。だからこそ、彼はマインツのエースストライカーとして、チームトップの9ゴールをたたき出し、この試合も2点目の起点となり、2-0の勝利に貢献をした。

 ブラジル・ワールドカップまであと4カ月。不変の姿勢で充実した時間を過ごして欲しいと切に願う。

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