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いよいよベスト4激突 決勝の切符を手に入れるのはどの2チームか

2014.01.10

 [写真]=鷹羽 康博

文=安藤隆人

 いよいよ明日11日、第92回全国高校サッカー選手権大会・準決勝を迎える。改修前最後の国立。『国立最蹴章』の主役となった4チーム。果たしてどの2チームが決勝に駒を進めるのか。

■富山第一VS四日市中央工
 組織力という面では、富山第一が上回っているが、勢いという面では四日市中央工も負けてはいない。

 富山第一の最大の強みは、試合中に課題を修正できるところにある。プレー面でも頭脳面でも中心となるMF大塚翔が、父である大塚一朗監督の試合の流れをくんだ細かいポジションチェンジやフォーメーションチェンジを瞬時に理解し、全体に伝達。戦術理解度の高い選手たちが、スムーズに実行に移す。この戦い方は昨年から継承されているものであり、高円宮杯プレミアリーグWEST立ち上げから、3年連続で残留を果たしたことで、力は実証されている。

 今大会も80分間、しっかりとマネジメントしたサッカーで順当に勝ち上がってきた。さらにプロ注目の2年生MF西村拓真と、FW渡辺仁史朗がラッキーボーイ的な存在となり、チームに大きな勢いを与えている。

 対する四日市中央工は、FW小林颯、MF森島司という絶好調の1年生がチームに勢いを与え、一昨年の準優勝メンバーであるDF坂圭祐が、落ち着きをもたらしている。全学年に主軸を揃え、今大会を通じて勢いとバランスが取れたチームに急成長した。

 ポイントは絶好調の渡辺、大塚、西村を中心とした富山第一の高い得点力を、坂を中心とした四中工がどう封じるか。鍵を握るのは、四中工の森島と村澤桂輔のダブルボランチ。彼らがどうプレスバックを仕掛け、セカンドボールを拾えるかが、試合を左右するであろう。

 差がつくなら富山第一、接戦なら四中工に分があるかもしれない。

■星稜VS京都橘
 3試合中2試合でPK戦勝利と、ギリギリの戦いをモノにしてきた星稜にとって、この試合はリベンジマッチとなる。

 12月に広島で行われた高円宮杯プレミアリーグ昇格決定戦。勝てば昇格という試合で両者は激突し、5-1で京都橘が圧勝を飾った。しかも、京都橘は今大会、準々決勝で優勝候補の筆頭であったインターハイ王者・市立船橋を相手に、エース小屋松知哉の2ゴールで快勝し、勢いに乗っている。

 星稜にとっては難しい戦いとなるが、守備陣にはDF寺田弓人と森下洋平という昨年度の選手権ベスト4メンバーがおり、これまで無失点と堅守を維持できていることが、可能性を見出すポイントとなっている。さらに体調不良で準々決勝を回避した大型2年生ボランチ・鈴木大誠も、万全の体調で臨めることもあり、12月の二の舞にはならない準備は出来ている。

 京都橘は小屋松の存在はもちろん、超攻撃サッカーの市立船橋を完封したように、守備陣が調子を上げてきているのは朗報だ。この試合、果たしてどちらの守備陣が力を発揮するか。ハイレベルな攻防が見られる試合となるだろう。

文=安藤隆人

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