2014.01.06

市立船橋が京都橘を崩せなかった理由 総体王者が正面突破に固執

第92回全国高校サッカー選手権大会 準々決勝 京都橘-市立船橋
平野貴也(フリーライター) 取材・文

14年1月5日(日)/14:10キックオフ/東京都・駒沢陸上競技場/観客10758人/試合時間80分

京都橘  2 ( 0-0、2-0 ) 0  市立船橋

得点者
(京都橘)
小屋松(後半5分)
小屋松(後半26分)
(市立船橋)
なし

カウンター狙いの京都橘と、中央突破を仕掛ける市立船橋という展開になった。前半はほぼ互角だったが、京都橘の守備の良さが目立った。後半に入ると立ち上がりにクリアに手間取った市立船橋からボールを奪い、10小屋松知哉が先制弾。さらに後半26分、カウンターの2次攻撃から相手の背後に抜け出た10小屋松が2点目を奪った。市立船橋はやや中央突破に固執した印象で、京都橘の守備ブロックを崩せなかった。

 京都橘が相手のお株を奪う堅守速攻を見せ、優勝候補の市立船橋を下した。2、3回戦で守備組織が機能しなかった京都橘は、米澤一成監督が「これまでは距離間が悪くて良い守備ができず、そこから攻撃につなげることもうまくいかなかったが、うまく修正できたと思う」と話したとおり、全体をコンパクトに保って守備陣形を崩さなかった。ボールを奪えば、10小屋松知哉を中心としたカウンターで相手を脅かした。前半11分、FW9中山俊輝が10小屋松とのワンツーで抜け出してシュート。前半17分にはカウンターから小屋松が鋭いミドルシュートを飛ばして、場内をどよめかせた。

一方、市立船橋も前半は多彩な攻撃の一端が見えた。前半30分にはFW10石田雅俊が、オーバーラップしたDF12山之内裕太とのワンツーからヘディングシュート。さらに31分には、12山之内が左から対角線上に飛ばしたロングパスに逆サイドのDF2篠原良介が飛び出してゴールへ迫るダイナミックな攻撃も見られた。

京都橘は、FW7宮吉悠太が「僕は最初、ビックリした。相手は今までにやったことのないスピードだった。個人では全然ついていけなかった。攻撃ではパススピードが速いし、守備では切り替えもプレッシャーも速くて、僕はボールロストも多かった」と市立船橋のプレーのスピードに面食らっていたことを明かしたが、選手同士の距離が近いことでカバーが機能し、少しずつ中盤で相手の攻撃の芽を摘む場面が増えていった。そして前半35分には、10小屋松がドリブルで左サイドを突破し、切り返してからのラストパスをボランチの8藤村洋太がシュート。相手DFの合間を抜いてゴールへ飛ばし、前半最大の決定機となったが、市立船橋のGK1志村滉がファインセーブで防いだ。

スコアレスで迎えた後半も立ち上がりから互いに鋭い攻撃を見せた。市立船橋は7成田悠冴のスルーパスで右サイドへ抜け出た8室伏航がクロスを送ったが、FW11横前裕大の動きに合わなかった。京都橘は後半3分、相手DFの最終ラインでの横パスがずれた場面を見逃さず、MF11中野克哉がボール奪取から短くドリブルをして左足でシュート。しかし、わずかにゴール右へ外れた。そして後半5分、敵陣中央で相手がクリアをしそびれると攻撃陣でプレッシャーをかけ続け、ボールを奪った11中野が左へはたくと、10小屋松が市立船橋のDF4柴戸海を振り切って左足シュートをゴールへ突き刺した。

京都橘が先制したことで、攻める市立船橋と、カウンターを狙う京都橘の構図はより明確になった。市立船橋は、両サイドバックが高い位置へ張り出し、人数をかけて攻撃を展開したが、左DF12山之内は「サイドは数的有利になっていたが、なかなかボールが来なかった」と肩を落としたように、やや中央突破に固執し過ぎた。攻めあぐねた市立船橋を待っていたのは、京都橘のカウンターだった。縦パスを受けた10小屋松が相手に囲まれながらも左へ流れてボールをキープ。8藤村へバックパスを出すと、すかさずゴール前へ斜めに走り込み、ふわりと浮かしたリターンパスを受けてから、シュートを決めた。

2点差になり、市立船橋は前線に22田山栄次を投入し、3バックへ変更。前線を攻撃に専念させた。後半31分、左の12山之内から22田山がヘッド。これまで消えていた、シンプルなクロス&シュートが好機となった。後半37分には7成田の縦パスから8室伏がダイレクトシュートを放ったが、わずかにゴール右へ外れた。

高校総体王者の力を認めてややリトリートした状況からカウンターを狙った京都橘が、力を見せつけようと正面突破を挑んだ市立船橋を巧みに迎撃した試合だった。結果は、前回準優勝の京都橘が2点のリードを保って完封勝利。2年連続の国立進出を果たした。前回に続く得点王を狙う10小屋松の調子も上がっており、準決勝も楽しみなチームだ。

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