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前半の失点が尾を引いた那覇西 猛反撃も届かず

2014.01.04

第92回全国高校サッカー選手権大会 3回戦 京都橘-那覇西
平野貴也(フリーライター) 取材・文

14年1月3日(金)/14:10キックオフ/千葉県・フクダ電子アリーナ/観客7469人/試合時間80分

京都橘 3 ( 2-0、1-2 ) 2  那覇西

得点者
(京都橘)
中山(前半30分、後半5分)
小屋松(前半32分)
(那覇西)
國吉(後半22分、後半28分)

京都橘がエース10小屋松知哉の1ゴール、1アシストで前半に2点を先制。後半も早々に追加点を奪って勝負を決めた。しかし、運動量が豊富で推進力の衰えない那覇西は猛反撃。快足FW25國吉遼を投入すると立て続けに2点を奪って追い上げた。最後まで攻め合う展開となったが、京都橘が巧みに逃げ切ってベスト8入りを決めた。

前回準優勝の京都橘のペースで進むかと思われた試合だったが、立ち上がりから攻勢に出たのは那覇西だった。DF5徳元悠平がボール奪取からロングフィードで素早く攻守の切り替えを行い、左MF11比嘉映幸を中心に素早い攻撃で次々に京都橘のゴールへ襲いかかった。

京都橘は、FW7宮吉悠太が「前半によく耐えられたと思う。あそこまで押し込まれるとは思っていなかった。予想外」と振り返ったほどの劣勢となったが、エースの一撃が流れを変えた。前半27分、FW10小屋松知哉が目の覚めるようなミドルシュートを一閃。クロスバーに嫌われたが、相手の動揺を誘うのに十分な威力だった。そして前半30分、相手の最終ラインにプレッシャーをかけた10小屋松が最前線でボールを奪取。マーカーがカバーに入ったためにフリーとなったMF9中山俊輝が横パスを受けて先制点を奪った。さらに直後の前半32分、敵陣左サイドの混戦からこぼれ球を拾った10小屋松が相手3人に囲まれながらカーブをかけて的確にコースを突いたシュートを鮮やかに決めて追加点。前日の2回戦でPKを外して落ち込んでいたエースは、両手を高く突き上げて存在をアピールした。

2得点で勢いに乗った京都橘は、後半の立ち上がりにも得意のカウンター攻撃を炸裂させた。後半5分、右サイドをMF11中野克哉がドリブルで突破。相手の股を抜く低いクロスをゴール前へ流すと、9中山がゴールへ押し込んで3点目を奪った。ハーフタイムを挟んでいるものの、試合時間にして15分間で3得点という「決めるべきときに決めた」結果が後に生きた。

追い詰められた那覇西は、選手交代をしながら猛反撃に出た。特に後半20分に投入されたFW25國吉遼は強烈なインパクトを残した。快足を飛ばして相手守備ラインの裏を急襲。投入直後の後半22分、MF10宮城良善の縦パスからシュートへ持ち込み、一度ブロックをされても粘って相手に当てながらもゴールへねじ込んで1点を返す。さらに後半28分には左クロスを胸トラップからシュート。その直後には、5徳元の後方からのロングフィードで一気に抜け出し、豪快なボレーをたたき込んで2点目を決めた。楽勝ムードだった京都橘を土壇場まで追い込んだ。

しかし、終盤は京都橘がカウンター返しで相手を追い返し、コーナーでのボールキープなどで試合をコントロール。那覇西の驚異的な反撃に盛り上がる中、3-2で京都橘が逃げ切ってベスト8進出を決めた。

勝った京都橘には、リズムをつかんだ時間の連続ゴールが大きかった。一方、那覇西にとっては、鋭い出だしでリズムを得た前半にミスから先制点を許したことが尾を引き、反撃に時間がかかったことが悔やまれた。

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