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2回戦突破した星稜の河崎監督がミラン本田からの電話内容を明かす 「もう気持ちはイタリア(笑)」

2014.01.02

二回戦 星稜 5-0 一条 [写真]=瀬藤尚美

 駒沢陸上競技場のミックスゾーンで笑い声が何度も起こった。初戦となる2回戦で、一条を相手に5-0と圧勝した石川県代表・星稜高校。

本田圭佑(ACミラン)、豊田陽平(鳥栖)、鈴木大輔(柏)といった日本を代表するような選手たちを輩出し続ける名門校を指揮する河崎護監督は実にユーモアセンスと鋭い目を持っている名将である。その2つを、試合後のミックスゾーンで見せつけた。

 大勢の報道陣に囲まれた河崎監督は、試合についての質問に答えていた。すると突然、「こんなことを聞いても、あんまり記事にならんでしょう。記事になるようなことを質問してくれよ(笑)」と笑いながら語ると、報道陣からは笑い声が挙がった。

 やはり誰もが聞きたいのは、卒業生である日本代表のエース絡みの話題について。監督自らの『GOサイン』に、ようやく報道陣から本田圭佑に関する質問が出てきた。

「(エースの)寺村介はふてぶてしさがいいよね。PKのシーンで、本人は本田になったつもりでボールを持って、(PKを蹴る)主張をしていたね。あの瞬間だけ本田だったね」と、PKで1点を決めたMF寺村介について語り、「本田からは連絡がありましたか?」という質問には、「あったよ。でも『え、もうそんな(高校サッカー選手権の)時期ですか?』と言われたよ。もう気持ちはイタリアに行ってしまっているね(笑)」と、ユーモアたっぷりに話した。

「本田からは寄付をもらったよ。何をもらったかは言えないけど、ありがたかったよ」

 報道陣からの質問に、最後まで明るく、ユーモアを持って答えた河崎監督。帰り際に挨拶をすると、「ほら、明日すぐに3回戦だから、選手たちを休ませなきゃいけないし、時間がないからね。取材をスムーズにしないと」と、なんとも明快な答えが返ってきた。

 今後の時間調整やスケジュールの事を考え、時間が長くなりがちな監督の囲みを、コンパクトにかつ報道陣の本当に聞きたい事を理解して、しっかりと話してから、きっちりと打ち切る。この無駄のない一連の流れは、まさに百戦錬磨の名将たる所以を感じさせる、さすがの一言であった。

文=安藤隆人

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