スポルティングのアカデミーで指揮を執っていたペレイラ氏 [写真]=Getty Images
スポルティングは11日、Bチームを率いていたジョアン・ペレイラ監督が、トップチームの指揮官に就任することを正式発表した。
今シーズン、スポルティングはプリメイラ・リーガ(ポルトガル1部リーグ)第11節を終えた時点で全勝を記録。2連覇に向けてこれ以上ないスタートを切っているが、そんなチームを2020年3月より率いてきたルベン・アモリム監督は、11月1日付でマンチェスター・ユナイテッドの新指揮官に就任することが公式発表された。
もっとも、アモリム監督の就任が発表されたのは1日だったが、チームへの合流は11月のインターナショナルマッチウィークに入った11日に決定。つまり、10日に行われたプリメイラ・リーガ第11節ブラガ戦(○4-2)まではアモリム監督が指揮を執っていた。同試合の翌日、アモリム監督は2度のプリメイラ・リーガ優勝、そして今季はスーペルタッサ(スーパーカップ)を除くと“公式戦無敗”という好成績を置き土産に、イングランドの地へ旅立って行った。
シーズン途中にして急に指揮官の座が空席となったことで、スポルティングは後任を探すこととなったが、ポルトガルメディア『A BOLA』など複数のメディアは、内部昇格という形になる可能性が高いと報道。そして11日、既報通り、今夏よりBチームを率いていたペレイラ氏が、正式に指揮官に就任することが発表された。契約期間は2027年夏までと伝えられている。
ペレイラ新監督は1984年2月25日生まれの現在40歳。ベンフィカのアカデミー育ちで、現役時代には同クラブのトップチーム、スポルティング、ブラガなどの国内クラブに加えて、スュペル・リグ(トルコ1部)のトラブゾンスポルやラ・リーガのバレンシアなどでも活躍した。2021年夏に現役を引退すると、現役最後の在籍クラブとなったスポルティングで指導者キャリアをスタート。U-23チームのコーチ、監督、Bチームの監督の順調にステップアップを遂げてきた。
なお、形式上は内部昇格となったものの、フレデリコ・ヴァランダス会長によると、この人事は“既定事項”だったようだ。というのも、既に欧州の“メガクラブ”から熱視線を送られていたアモリム監督は、遅くとも来年の夏には新しいチャレンジのためにクラブを離れる予定だったとのこと。ヴァランダス会長は記者会見にて、「当初の予定よりも7カ月早く行われることとなったが、この決断は数年前に下されており、シンプルで自然なものだった」と明かしている。
加えて、ペレイラ監督の現役時代から数えて13年ほどの付き合いだというヴァランダス会長は、次のように新指揮官へ期待の言葉を寄せた。
「彼は現役時代から、リーダーシップと優れた人間性、そして選手としては異例と言えるほどの戦術理解度を示していた。これらはすべて、優れた監督が持つ特徴でもある。だが、理論と現実は時に異なることもある。だからこそ、ジョアンは彼が優れた監督であることを証明しなければならない」
「2021年、ジョアンには選手としてスポルティングに戻ってきてもらい、ここでキャリアを終えてもらうことにした。同時に、我々は彼に新しいキャリアへの挑戦を提案し、彼はそれを受け入れた。彼の指導者キャリアはU-23チームのアシスタントから始まり、2年間にわたってU-23チームのコーチを務め、その後Bチームに昇格した。彼はコーチとしても成長し、コーチングスタッフをまとめると、チームを完成させ、その能力とリーダーシップでアカデミーの全組織を魅了するほどの存在となった」
「今日、我々はこの部屋で会見を行なっているが、私の胸には、5年ほど前に全く同じ場所で抱いた気持ちと同じものがある。つまり、アモリムと同様に、ジョアン・ペレイラが4、5年後にヨーロッパでも有数の強豪クラブに在籍していることを私は信じている。彼はここで、素晴らしいグループ、素晴らしいキャプテン、素晴らしいスタッフ、そして彼を守り、監督として成長させてくれるクラブに出会うだろう。スポルティングは、彼が自身が成長し続けられるようにサポートをする」
「ハイリスクとは、自分が信じた通りに決断をすることだ。約5年前、プリメイラ・リーガではたったの8試合しか指揮を執ったことのない監督をここで紹介した。今日、私はプリメイラ・リーガで1度も指揮を執ったことのない監督を紹介しているが、非常に落ち着いているし、今後への自信を持つことができている」
スポルティングには日本代表MF守田英正も所属しており、今季も公式戦17試合のピッチに立って2ゴール2アシストを記録するなど主力として活躍を続けている。ペレイラ新監督の下、守田がどのような輝きを放つのかにも注目だ。
By サッカーキング編集部
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