「プレーする限り、我々は無敵だ」　中止になっていたウクライナ・プレミアリーグの新シーズンが開幕

　ウクライナ・サッカー連盟は23日、ロシアによる軍事侵攻で前シーズン中断を余儀なくされていた、ウクライナ・プレミアリーグの2022－23シーズン開幕を宣言した。

　ウクライナ・プレミアリーグは昨シーズン、2022年2月25日から後半戦が再開される予定だったものの、同年2月24日から始まったロシアによる軍事侵攻の影響で中止に。中断時点でシャフタールが首位に立っていたものの、優勝チームは無しと決定された。

　しかしながら、この度ウクライナ・プレミアリーグの2022－23シーズンが本日23日より開幕することに。ウクライナ・サッカー連盟の公式サイトでは開幕に先立ち、同連盟会長のアンドリー・パヴェルコ氏からのメッセージが公開された。

「ウクライナ・プレミアリーグの新シーズンは8月23日に開幕する。ウクライナの昨シーズンのリーグ戦は全面戦争の開始後に中断されたため、新シーズンの始まりは象徴的です。UPL（ウクライナ・プレミアリーグ）は多くの障害もあるが戻ってくる」

「我々の兵士たちが勇敢かつ無私の心を持って前線で我々を守っている間、ウクライナはサッカーの国内リーグを再開する。我々はリーグ戦をウクライナ人の統一のもう一つの象徴にしたい。私たちは同じ勇気を持っている！　私たちがプレーする限り、我々は無敵だ！」

「全面戦争中でのサッカーの再開は、スポーツだけに留まらない。これは、我々の国民の大胆不敵さ、不屈の精神、そしてロシアの侵略者に対する独立のための戦争における必然的な勝利に対するウクライナの願望を示すものだ。戦争の状況での戦争に対するサッカー、平和のためのサッカー。私は、サッカーがさらなるエネルギーを与え、あらゆる戦線における軍隊の最終的な成功とウクライナの完全な解放に対する国民の信頼を強化すると確信している。サッカーの復活は、この勝利の要素の一つとなるだろう」

「ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領が、ウクライナで国内リーグを開催するという考えに強く支持してくれたことに、感謝する。ウクライナのヴァディム・グットサイト青年スポーツ大臣、国防省、内務省、国家警察、国家非常事態サービス、地域軍事行政、ウクライナ・サッカー連盟、UPL、PFLの職員、クラブの経営陣が、このプロジェクトの実施に関する作業を行ってくれたことに感謝している。ウクライナ軍の勇敢な兵士たちに特別な感謝を！」

　なお、ロシア軍の標的となることを避けるため、今シーズンは全試合が「無観客試合」で、「シェルターを確保しているスタジアム」でのみの開催となる。このため、従来のホーム＆アウェー方式ではなく、中立地開催となっている。また、開催要件として、「空襲警報（サイレン）が鳴った場合は、試合を中断」することが定められた。そして、昨シーズンまでは18チームで実施されていたものの、侵攻による被害が激しい南東部のマリウポリを本来の本拠地とする2チームは、参加を断念した。

　日本時間23日19時キックオフの「シャフタールvsメタリスト」が、今シーズンのウクライナ・プレミアリーグ全体の開幕戦となり、首都キーウのオリンピスキ・スタジアムで開催されている。記事リリースの日本時間23日20時43分時点で時計の針は78分を指しており、スコアレスドローとなっている。

　サッカーが少しでもウクライナ国民、そして世界中の人々の希望の光になることを望むばかりだ。