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逃した魚は大きかった!? イングランド代表入りの可能性があった逸材たち

ウィルフレッド・ザハ

 年末に行われるワールドカップ・カタール大会への出場を決めているイングランド代表は、今月29日に初めてコートジボワール代表と親善試合を行う。そんな一戦で注目を集めるのが、元イングランド代表にして現在コートジボワール代表のエースとして活躍するウィルフレッド・ザハ(29歳)だ。

 ザハはコートジボワールで生まれたが4歳の頃にイングランドに移り住んで以降、ずっとイングランドのクラブでプレーしてきた。そのためイングランドの年代別代表にも選ばれ、2012年には20歳でA代表デビューを果たしてイングランド代表2キャップを持つ。

 しかし、どちらも親善試合だったため、2016年に生まれ故郷のコートジボワールへと代表資格を変更した。その理由についてザハは「僕はイングランド代表に捨てられたんだ。4年近く、代表に選ばれないどころか、見向きもされなかった」と語ったことがある。

 もしイングランド代表に残っていれば今頃は主力に定着していた可能性があり、「彼は優秀な選手で毎週のように素晴らしいレベルを披露している」と、イングランドのギャレス・サウスゲート代表監督も高く評価している。もちろん、イングランド代表が取り逃した選手はザハが初めてではない。それでは、これまでにイングランドが逃した“大魚”を見てみよう。

■ギャレス・ベイル(ウェールズ代表)

 ウェールズ生まれながら9歳の頃にサウサンプトンの下部組織に入団したベイルには、イングランド人の祖母がおり、イングランド代表を選ぶことも可能だった。本人も「選択肢はあった」と明かしたことがあるが、その際も「自分はウェールズ出身だし、ウェールズ人であることを誇りに思う。ウェールズのためにベストを尽くす」と説明した。

 同選手の代理人を務めるジョナサン・バーネットも、こんなエピソードを明かしたことがある。「初めてベイルに会った時、彼はウェールズへの愛情を語っていた。私がイングランド代表を選べる可能性について言及すると、彼は『僕の代理人になりたければ、そのことは二度と口にしないで!』と言われたのさ」。

 ベイルは2006年にウェールズ代表デビューを果たすと、その後トッテナムを経てレアル・マドリードへとステップアップして4度のUEFAチャンピオンズリーグ制覇に貢献した。A代表ではEURO2016でベスト4に入り、EURO2020でも2大会連続で決勝トーナメントに進出。そして今年6月には、64年ぶりのワールドカップ出場を目指してW杯予選プレーオフを戦う予定だ。

■アーリング・ハーランド(ノルウェー代表)

 世界的ストライカーに成長したドルトムントの21歳は、ノルウェー代表の絶対的エースだがイングランド代表を選ぶこともできたという。ハーランドは、元ノルウェー代表選手の父親がイングランドのリーズに所属している頃にイングランドで生まれたのだ。しかし、3歳の時にノルウェーに移り住むと、父の母国でキャリアを歩んできた。

 ノルウェーの年代別代表にも選出され、2019年のU-20ワールドカップでは1試合9得点の大活躍を見せた。そして2019年9月、19歳にしてA代表デビューを果たすことに。同選手についてイングランドのサウスゲート代表監督は「彼は若い頃からノルウェーの年代別代表に定着していた。彼はノルウェーに忠誠を誓っていると思うし、そういう選手の気持ちは尊重する。我々は早いうちからリクルートに動いているが、彼がリーズに居た頃(3歳)にはまだ彼に興味はなかったよ!」と冗談を口にした。

■ジャマル・ムシアラ(ドイツ代表)

 バイエルンに所属する19歳のミッドフィルダーは、英国・ナイジェリア系の父親とドイツ人の母親の間にドイツで生まれたが、7歳の頃に家族でイングランドに移り住み、チェルシーの下部組織などでプレーしていた。そのためU-21代表まではイングランドを選択していた。しかし2019年に16歳で生まれ故郷のドイツに戻ってバイエルンに加入すると、同クラブ史上最年少の17歳115日でブンデスリーガデビューを果たした。

 そして昨年2月、ドイツ代表を選択することを発表し、こう説明した。「何度も何度も考えた。自分の将来にとって何が最善なのか。僕は最終的に、ずっと自分自身に囁いていた気持ちに従った。自分の生まれた国、ドイツの代表選手としてプレーすることが正しいんだって。」

 この決断についてサウスゲート代表監督は「ジャマルは非常に優秀な若手で、私も昔から彼のプレーを見てきた。彼がイングランドに残ってくれることを願っていたが、彼の決断も理解できる」と語っている。

■ユヌス・ムサ(アメリカ代表)

 ニューヨーク生まれのMFムサ(19歳)は幼少期にイタリアに移り住み、2012年に9歳にしてロンドンに引っ越してアーセナルのアカデミーに入団した。それから7年間もアーセナルの下部組織で過ごし、U-15~U-19までイングランドの年代別代表でプレーしてきた。

 だが2019年にバレンシアのBチームに移籍。そこでプロデビューすると、昨シーズンはラ・リーガで32試合に出場してブレーク。そして2020年11月には、アメリカ、ガーナ、イタリア、イングランドの中からアメリカ代表を選択し、ウェールズとの親善試合でA代表デビューを果たした。

 サウスゲート代表監督は、ムシアラとムサの決断について英紙『The Independent』にこう話している。「選手それぞれ、自分の気持ちに従って違う決断をするだろう。彼ら二人は出生地の国を選んだ。全く心配していないと言ったら嘘になる。彼らは将来的に凄い選手になるかもしれないからね。今後もこういうケースは出てくるだろう。だから我々は代表選択権について上手く対応していくべきだろう。」

■スコット・マクトミネイ(スコットランド代表)

 マンチェスター・ユナイテッドの生え抜きMFは、イングランドのランカスター生まれ。しかし父がスコットランド出身のためイングランドとスコットランドの両代表チームを選ぶことができた。過去にはスコットランドのユース代表の練習に呼ばれたこともあったが、ユナイテッドでのプレーに専念するために代表選択を後回しにしていた。

 そのためイングランドとスコットランドによる争奪戦が勃発。ユナイテッドやスコットランド代表を率いた名将サー・アレックス・ファーガソンは、同選手がスコットランドでプレーすることを希望。さらにサウスゲート代表監督がメールで同選手を勧誘するなか、スコットランド代表を率いていたアレックス・マクリーシュ監督はユナイテッドの練習場まで足を運んで口説いたという。

 「わざわざ会いに来てくれた監督には感謝している」とマクトミネイは語り、「会話はシンプルなものだった。私は子供の頃からずっとスコットランド代表でプレーしたいと思ってきた。だから招集された時は本当に誇らしかった」とスコットランドを選んだ理由を明かした。

 上記に挙げた選手以外にもミケル・アルテタ(スペイン)、スティーヴン・エンゾンジ(フランス)、エドゥ(ブラジル)、ハリー・キューウェル(オーストラリア)、シモーネ・ペロッタ(イタリア)などもイングランド代表としてプレーできたかもしれないという!

(記事/Footmedia)

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