前半、中央を分厚くして守るバレスティア・カルサを相手にボールを保持するも、それぞれの攻撃が単発に終わって押し込んでいくには至らない。そんな流れを一変させたのが、後半開始とともに投入された近藤蔵波。47分に先制ゴールをアシストすると、50分、64分の連続ゴールで試合を一気に決めた。最後は谷口が1点を加えて4ー0と快勝。まさに蔵波劇場と呼べる、そんな試合となった。
前節で負傷退場したニッキーに代わってスタメンに名を連ねたのは、二種登録選手としてトップチームの活動にフル帯同するU17のジュンキ。2度目のメンバー入りで初スタメン初出場を果たした。一方のバレスティアはリーグ下位に沈んでいるものの、前節でAFCチャンピオンズリーグに出場したタンピネス・ローバーズに5ー2で圧勝。中でもFWのズズは9試合連続13ゴール中と絶好調だ。アルビレックス新潟シンガポール守備陣も最警戒のもと試合に臨む。
序盤から左サイドの永澤、右サイドの橋岡、最前線では谷口が相手ディフェンスラインの背後を狙っていく。リーグデビューとなったジュンキも物おじしない堂々としたプレーぶりでチャンスに絡む。ズズや星野などフィジカルの強いバレスティア攻撃陣には、厳しくプレッシャーをかけてボールを回収していくが、素早くブロックを構築するバレスティアを前に効果的なパスを入れられず、起点を作ることができない。
どこか重苦しい前半を過ごしたアルビSは、後半開始からジュンキ、ユエンに代えて、近藤、花田を投入する。
すると後半開始早々の47分、左サイドでボールを受けた近藤がキレ良く相手DFをかわしてクロスを上げると、合わせたのは谷口。ヘディングシュートが相手DFに当たってゴールに入り、後半早々にアルビSが先制点を手にする。
さらに50分、前線からのプレッシングで手塚がボールを奪うと、谷口がそれを収めて近藤へラストパス。足裏でのボールコントロールから間髪入れず放ったシュートはゴール右のサイドネットを揺らし、一気にリードを広げる。
連続ゴールに焦りを見せるバレスティア。ズズへとシンプルにボールを送るが、山下、国本が厳しく体を寄せて自由を与えない。下がった位置からのドリブルにも粘り強く対応して、ゴールから遠ざけていく。フィジカルとスピードを生かしたプレーは迫力満点だったが、この日は0点に抑え込んだ。
一方、その後もテクニックとスピードを活かしてアルビSの攻撃を牽引するのは近藤。あらゆる決定機に絡み、自らも積極的にゴールを狙っていく。64分、ゴールからおよそ25メートルの位置で常盤からボールを受けると、近藤は迷わずシュートを選択。ニアポスト側に軽々と決め切ってスコアを3ー0とする。
得失点差も気になってくるリーグ終盤、アルビSは攻撃の手を緩めない。77分、自陣でクリアしたボールはバレスティアに拾われるが、谷口が1人で猛追。相手GKへのバックパスにも追いかけてコントロールミスを誘うと、一足先にボールに触ってゴールへと押し込み、この日2点目を決める。
86分、今度は近藤のふわっとしたスルーパスから、常盤がグラウンダーのクロスを送る。ファーサイドへと流れたところ、橋岡がフリーでシュートを放つが、惜しくもクロスバーに嫌われ、ゴールとはならない。
その後は橋井モリソンもリーグデビューを飾った中、愚直に追加点を狙っていくが、これ以上スコアは動かず4ー0で試合は終了。怒涛のゴールラッシュ、そして2試合連続のクリーンシートでスタンドに集まったサポーターの大声援に応えた。
1試合消化の少ない2位セイラーズとの勝ち点差を5に広げたアルビS。次節は2週間後にホームにゲイランインターナショナルを迎えて対戦する。通常より1週間多い準備期間で、セイラーズとの直接対決を含めた最後の4試合に向けた調整をしていく。
2021 SPL第17節(ホーム)
【日時】
2021年8月28日(土) 17:30キックオフ
【対戦相手】
バレスティア カルサFC
【会場】
ジュロンイーストスタジアム
【スコア】
アルビレックス新潟シンガポール:4
バレスティア カルサFC:0
【アルビレックス新潟シンガポール得点者】
47′ 谷口 遼弥
50′ 近藤 蔵波
64′ 近藤 蔵波
77′ 谷口 遼弥
■次節の予定
2021 SPL第18節(ホーム)
2021年9月11日(土) 17:30キックオフ
Vs ゲイラン インターナショナルFC
@ジュロンイーストスタジアム
By サッカーキング編集部
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