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ロナウジーニョが“8歳の自分”にメッセージ…「自由であれ」「ボールと戯れよう」

ロナウジーニョが“8歳の自分”にメッセージを送った [写真]=NurPhoto via Getty Images

 元ブラジル代表FWロナウジーニョが、ウェブサイト『The Players Tribune』を通じて8歳の頃の自分にメッセージを送った。

 グレミオの下部組織で育ち、その後パリ・サンジェルマン、バルセロナ、ミランなどでプレーしてきたロナウジーニョ。卓越した技術で一時は世界最高の選手となり、バロンドールも獲得した。

 36歳となった現在は所属クラブがない状態となっているが、チャリティマッチで見せるテクニックは錆びついておらず、次なる活躍の場を探している。

 彼は8歳の頃の自分にどんな言葉をかけたいのか? その生い立ちにどんなエピソードがあったのか…。

■「親愛なる8歳のロナウジーニョへ」

「明日、君がサッカーをして家に帰ると、そこには沢山の人がいるだろう。叔父、家族の友人、そして知らない人までが。最初はパーティに遅れたかと思うだろうね。君の兄、ロベルトの18歳の誕生日を祝うため、皆がそこにいるんだよ。

家に帰ると、母はいつも笑顔で冗談を言っている。しかし、その時、母は泣くだろう。

そして、君はロベルトを見る。彼は浴室に君を連れていく。そこで、理解できないようなことを教えてくれる。

『事故があった。父はもういない。彼は死んだんだ』

君には意味がわからないはずだ。『どういうこと? お父さんはいつ帰るの? どこへ行ったの?』と」

■「ボールは常に君の足元にある」

ロナウジーニョ

[写真]=Bongarts/Getty Images

「父は、君に『創造的にプレーしろ』、『自由なスタイルでサッカーをしよう』と教えてくれた人だ。ボールを持って遊ぼうと。

彼は誰よりも君のことを信じてくれていた人だ。ロベルトがその前年にグレミオでプレーし始めたとき、父はあらゆる人に話していた。

『ロベルトはすごくいい。しかし、これから来る彼の弟を見ておけよ』と。

父はスーパーヒーローだった。サッカーを心から愛し、造船所での仕事を終えたら、週末にはグレミオのスタジアムで警備員をしていた。

君はすぐに悲しみを感じることはないはずだ。それは後から来る。数年後、君は父親が二度と戻ってこないことを受け入れるだろう。

しかし、理解しておいてほしいのは、ボールは常に君の足元にあるということだ。父は君とともにある。

サッカーをする時、君は自由だ。幸せだ。まるでヒーリング・ミュージックのようなものだ。その感覚は、君に『この楽しみを広げたい』と思わせてくれるだろう。

君はラッキーだよ。なぜなら、ロベルトがいるからだ。10歳年上の彼がグレミオでプレーしていて、君のために動いてくれる。

彼はただの兄弟ではない。父親代わりになる。そして、それ以上の存在にも。君にとって、彼はヒーローになるんだ。

君は彼のようにプレーしたいと願う。君は彼のようになりたいと願う。毎朝、君はグレミオのことを思う。そして、ユースでプレーし始める。

ロベルトとともにロッカールームに入る。毎晩ベッドに入れば、自分のあこがれの選手と寝室をともにする。

ポスターも何もないベッドルームには、小さなテレビだけがある。それ以上はなにもいらない。なぜなら、試合を見る時間はないからね。遠征に出ていない時、ロベルトは君をもっとプレーさせようと連れて行くからだ。

ポルトアレグレに住んでいるときには、ギャングやドラッグのような危ないものもあるだろう。難しいものだが、できるだけサッカーをしよう。道で、公園で、犬とともに。

そうだ。犬について言っておかないとね。彼は疲れることのないディフェンダーだよ。

君はロベルトとともにプレーするだろう。ほかの子どもとともに、公園で年上の人々と。ただ、最終的には皆疲れる。君はもっとプレーしたい。そんな時は犬のボンボンを相手にサッカーをするんだ。

ボンボンは雑種だ。リアルなブラジルの犬だ。ブラジルの犬は、フットボールを愛している。彼は素晴らしい練習相手になるよ。

おそらく、“エラシコ”の最初の相手になるのが彼になるはずだ。ヨーロッパでプレーし始めたら、何人かのディフェンダーがボンボンを思い起こさせるだろうね」

■「創造性は、計算を超える」

ロナウジーニョ

[写真]=Getty Images

「19歳の時、君はブラジル代表でプレーする。そして、新しいチームメイトが君について話す。ドゥンガをどのようにドリブルで置き去りにしたか。

しかし、自信を持ちすぎてはいけないよ。そう簡単には行かないからだ。これは人生において最も重要なことになる。君がそのレベルになった時、人々は多くのことを期待する。

君の道を外れずにプレーし続けることができるか? 計算し始めるか? 安全にプレーしようとしないか?

僕が君にできるアドバイスは一つだ。

『これは君の道だ。自由だ。音楽に耳を傾けろ。人生を生きるための唯一の道だ』と。

ブラジルでプレーすることは人生を変える。すべてが突然に起こる。開くとは思わなかったドアが開く。そして、ヨーロッパでプレーすることを考える。ロナウドがバルセロナのことを教えてくれる。

どうやったら、ファヴェーラ(ブラジルの貧民街)の木造の家で生まれた子どもに、ヨーロッパでの人生を教えられるだろうか? 言っても、君は理解できないだろうね。

パリを離れ、バルセロナへ行き、そしてミラノへ。すべてがとても速く進んでいく。

ヨーロッパのメディアの一部は、君のプレースタイルを理解しないだろう。彼らは、なぜ君がいつも笑っているのか、それが分からない。

なぜだろう? それは、サッカーが楽しいからだ。なぜ深刻そうにしなくてはならない? 君のゴールは楽しみを広げていくよ。創造性は、計算を超えるんだ。

自由であれ。そうすれば、ブラジル代表でワールドカップに勝てる。

自由であれ。チャンピオンズリーグに、リーガ・エスパニョーラに勝てる。

自由であれ。バロンドールも獲得できる」

■「メッシとともに、バルセロナの自由なスタイルは生き続ける」

ロナウジーニョ

[写真]=Getty Images

「君が最も誇りに思うのは、そのスタイルがバルセロナのサッカーを変えることだ。

スペインに到着した時、そこではレアル・マドリードが席巻しているだろう。しかし、君がクラブを離れる時、子どもたちはバルセロナのプレーを夢見るようになるんだ。

でも、聞いてくれよ。君の役割は、ピッチ上でやること以上のものになってくる。

バルセロナでは、ユースに所属する少年のことを聞くだろう。彼は君のような“10番”で、そして小柄だ。

彼はボールを持つと君のようなプレーをする。君も、仲間も、彼を見るためにユースのグラウンドへ行くんだ。

そして、君はその時に知ることになるよ。彼が偉大なサッカー選手以上の存在になることを。彼は“違う”と。

その少年の名前は、リオネル・メッシというんだ。

君はコーチに言うだろう。彼をトップチームに上げようと。そしてメッシが来た時、同僚たちは『ブラジルの選手みたいだね』と君に話すはずだ。

メッシに伝えるべきアドバイスを一つ授けておきたい。

彼に言ってくれ。『幸せを持ってプレーしよう。自由にプレーしよう。ただボールと戯れよう』と。

君が去っても、自由なスタイルはバルセロナに生き続けるよ。メッシを通してね。

■「自由であれ」

ロナウジーニョ

[写真]=Getty Images

「人生には良いことも悪いことも起こる。しかし、それはすべてサッカーから来るものだ。人々は君のスタイルに疑問をぶつける。あるいは、負けた試合でも笑っていることを理解しない。

君には一つの記憶を思い出して欲しい。父がこの世を去った時、彼の映像は何もない。家族にはお金がなく、ビデオカメラも持っていない。父の声も、あの笑顔ももう見ることはできない。

しかし、君が常に持ち歩くことになる遺品がある。彼を思い出すために。ともにサッカーをしているときの写真だ。

君は笑っている。ボールと戯れながら。父は幸せそうに君を見ている。

お金がやってくる。そこにはプレッシャーと、そして批判がつきまとう。しかし、自由であれ。

彼が言ったように、プレーしよう。ボールと戯れよう。 ――ロナウジーニョ」

(記事提供:Qoly)

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