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エジプトで2001年生まれの14歳がプロデビュー…背景にあった大人の事情とは?

2015.08.16

ザイード・アハマド・アル・セヒーフィー(中央右)(写真はアル・アハリ公式フェイスブックのキャプチャ)

 13日に行われたエジプトカップのアル・グーナー対アル・アハリの試合において、アル・グーナーのザイード・アハマド・アル・セヒーフィーが史上最年少の14歳でデビューを果たした。14日、エジプトメディア『Kingfut』が報じている。

 2001年に生まれたザイード・アハマド・アル・セヒーフィーは、今年14歳。この試合の前半38分に途中出場し、終了までプレーした。

 これはエジプトサッカーの歴史上最も若い年齢でのプロデビューとなり、1960年代に達成されたムハンマド・アル・サイヤーギの16歳という記録を2年更新するものとなった。

 しかし、このデビューはどうも一筋縄で「凄い!」とはいかないものであったようだ。

 まず、このザイード・アハマド・アル・セヒーフィー選手は、アル・グーナーの監督を務めているアハマド・アル・セヒーフィー氏の息子であるということ。

 さらにこの試合は前半38分の時点で5-0と大差がついており、最終的には13-0という歴史的なスコアでアル・グーナーが敗れている。

 そして、監督が後にインタビューで話したところによれば、この交代は「エジプトサッカー協会に対して、現在のリーグにおける混乱の解決を訴えるため」という政治的な理由も含まれていたという。

 アハマド・アル・セヒーフィー監督は以下のようにコメントしている。

「我々は、この国の試合が整理されている方法の中で、エジプトサッカー協会にメッセージを送りたいと思っていた。大きな混乱があり、私は彼らを少し困らせたかった」

 アル・グーナーは7月に行われたアル・シュルター戦で、相手に出場資格のない選手がいたという抗議を行っており、これらの問題は国際スポーツ裁判所に持ち込まれている。アル・セヒーフィー監督が息子のプレーを見てみたかったという点以外に多くの要素が含まれており、スッキリしないものであったようだ。

 しかし、このチャンスをもらったザイード・アハマド・アル・セヒーフィーにとっては、このような政治的な問題は関係なく、非常に濃密な時間を過ごせたようだ。

「僕はアル・アハリのファンであるし、ピッチ上でスターを間近に見ることができて嬉しかった。彼らはとても良くしてくれたし、試合を通じて僕を励ましてくれたんだ。素晴らしい気分だった。もちろん自分のチームが失点を重ねることは残念だったが、アル・アハリに得点が入ることにもまた満足していた」

 ザイード・アハマド・アル・セヒーフィーは試合終了後に憧れのアル・アハリの選手達と握手を交わし、そしてエジプト代表MFのアハマド・ファティとユニフォーム交換を行うことにも成功したとのことだ。

 様々なことに巻き込まれる格好になったザイード・アハマド・アル・セヒーフィーであるが、このかけがえのない経験を持って順調な成長を遂げてほしいものである。

(記事提供:Qoly)

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