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トルコ系ドイツ人FWナキ、イスラム国批判後に襲われクラブを退団

2014.11.06

2013年、ザンクトパウリに所属していたナキ [写真]=Getty Images

 トルコ・スーパーリーグに属するゲンチレルビルリーのトルコ系ドイツ人FWデニズ・ナキが、イスラム国を批判した後に複数の男たちに襲われ、身の危険を感じたためクラブを退団し、トルコからドイツへと戻ったと、トルコ紙『Hurriyet』やドイツ紙『ビルト』が報じている。

 2008年にU-19ユーロで、U-19ドイツ代表メンバーとして優勝も果たしているナキは、2013年7月にドイツの当時リーグ2部に属していたパーダーボルンから、トルコの首都アンカラを拠点とするゲンチレルビルリーに加入していた。

 イスラム教のアレビ派(シーア派に属する宗派でトルコ南西部に居住)のクルド人(トルコ、イラク、イランなどの国境周辺に跨って居住する先住民族)にルーツをもつ25歳のナキは、過去にアレビ派だとして虐待も受けていた。

 2011年3月頃から始まったシリア内戦の流れから、今年に入ってシリア北西部にあるクルド人が統治するコバニが、イスラム国から包囲、攻撃されているのを受けて、同選手は自身のSNSで同組織を批判し、コバニのクルド人をサポートすると表明していた。

 この発表後、ナキは2日に、路地で3人の男たちに襲われ目と手を負傷したという。同選手は『ビルト』に対して「日曜日(2日)に夕飯のための買い物へ出かけたら、路地で3人の男が近づいてきたんだ。彼らは『これは最初の警告だ』と僕を脅してきた。クラブは僕のような人間を必要としていなかったし、去るべきだったんだ」と、当時のことを明かし、身の危険を感じたため、ドイツに戻る決断をしている。

 そして、2016年までゲンチレルビルリーと契約を結んでいた同選手は、「火曜日(4日)にクラブとの契約を解消した。ドイツに戻ることができて安心しているよ」と明かしている。

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