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ブラジル大統領が反論「教育と保健への投資額は、W杯の212倍以上」

2014.06.12

W杯開催国、ブラジルのジウマ・ルセフ大統領 [写真]=Getty Images

 ワールドカップの開幕を目前にして、開催国ブラジルのジウマ・ルセフ大統領が10日、公式声明を発表した。そこには、ブラジル各地で頻発しているデモへの反論も含まれていた。ブラジルのテレビ局『TV Globo』が伝えている。

 まず同大統領はブラジルでワールドカップが開催されることについて、次のように述べた。

「ブラジルは今、ワールドカップを主催する満足感と喜び、誇りに溢れています。ブラジル人のほとんどは陽気で寛大な人ばかりです。諸外国から訪れた方々は、12の開催都市でブラジル人の温かさを感じてもらえると思っていますし、自然の美しさにも触れてもらえるものと確信しています」

 そして大都市サンパウロでメトロ(地下鉄)のストライキが発生するなど混乱が生じている点についても次のように説明している。

「今回の開催を契機として、空港や地下鉄、スタジアムなどは大幅に改善されました。これらのインフラ整備は大会終了後も地元の皆様に還元されるもので、市民の生活にも役立てられます」

 最後にジウマ大統領はワールドカップに多額の税金が流用されている批判に対して真っ向から反論。具体的な金額を公にして、事態の収拾を図った。

「既存の報道は偽のジレンマです。スタジアムへの投資に80億ドル(約8200億円)が投じられたことは事実ですが、2010年から2013年までの4年間にブラジル全土で教育や保健のために投資された税金は約1兆7000億ドル(約173兆円)です。これはスタジアムの建設にかけた税金の212倍以上になるのです。よって、デモで国民が主張している内容は事実とは相反します」

 そしてワールドカップのために建設されたスタジアムが、大会後無駄になるのではないかとの論調についても、ジウマ大統領は次のように反論している。

「近代的なスタジアムはサッカー以外の用途でも使用されます。ショッピングやレジャー、音楽のライブなど使用用途は多岐に渡ります。先進諸国を見本にしてちゃんと活用できれば、決して無駄にはならないことを約束します」

 ジウマ大統領は大会の成功に固執する発言を徹底したが、どこまでが真実なのかと疑問視する声も飛び交っている。

(記事/Cartao Amarelo)

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